「ファクトフルネス」を読んでの感想
今回コロナの自粛期間に、「ファクトフルネス」を読んだのでその感想をシェアしていきます!
(多少のネタバレを含むかもしれないので、お願いします笑
クイズについて
本書内の冒頭には、世界の貧困、人口、教育など多岐に亘るクイズが13問あります。私が答えた結果は、13問中4問正解。正解数が少なかったことよりも、思い描いていた世界とのギャップに危機感を感じた。
「自分は世界のことを何も知らない。」
そう気づいた。
現在世界で起きている地球環境の悪化、新型コロナウイルスの流行などのニュースを見ていると、ついつい世界はどんどん悪い方向に進んでいるということを忘れがち。しかし実際には、1歳児の予防接種普及率は80%を越えていたり、低所得国の女性の6割は初等教育を受けられていたり、世界は大きく進歩している。1歩1歩着実に成長している世界に、メディアのスポットライトは当たらないのだ。
だから私たちの中に、世界の成長に気付かず、貧しい国はいつまで経っても「貧しくてかわいそうな国」というステレオタイプが根付いてしまっているのだ。
貧困の概念
自分自身、貧困層のためにビジネスを展開したいと志す中、「貧困層」というひとまとまりで捉えていた。本書では、貧困の大きな要因「所得」を基に、世界の人々を4つのカテゴリーに分けた。
私たちはレベル4に属している。私たちは、1日1ドル多く使えたとしても、さほど変わらない。しかしレベル1の人々にとっては、1日1ドル多く使えて、プラスチックの新しいバケツを買えるなど、その1ドルが生活が豊かにすることもあるのだ。
私は貧困という分野に興味があるのにも関わらず、レベル1とレベル2の差を考えたこともなかった。これが「ドル・ストリート」というプロジェクトによって撮影された所得別の生活比較写真だ。
高層ビルの上から低い高さの家の違いを見分けるのが難しく、同じように見えることと同様に、貧困の違いを見分けること、貧困の違いという概念を持つことすら難しいのだ。
ファクトフルネスについて
説明すると、ファクトフルネスとは「世界を正しく見る習慣」のことを言う。
①分断本能
分断本能とは、「世界は分割されている」という思い込みのこと。
「先進国」「途上国」などなど。
「お金持ちと貧乏」を例に挙げると、世界の大半はその中間層に属している。
先ほどの所得のグラフにも書いてあるように、レベル1:レベル2:レベル3:レベル4の比率を表すと、1:3:2:1だ。ほとんどがレベル2,3に属している。
もっと身近に考えると、テストで90点以上取る人と、赤点を取る人は目立つ。しかし大半はその中間の良くも悪くもない点数に属する、 みたいな?笑
何かを2つに分けるのは、辞めよう。
②ネガティブ本能
ネガティブ本能とは、「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みのこと。
冒頭でも説明したように、メディアが悪いニュースを流すことにより、世界が悪いと考える人が多い!!!
本当にそうなのかと感じて、自分の身の回りの人にアンケートを取ってみた。
すると、悪い方向に向かっていると考える人が49人居たにも関わらず、よい方向に向かっていると考える人は10人しかいなかった。
ではなぜそう考えてしまうのか、、、
覚えておかなければならないのが、悪いニュースの方が遠く、早く、深く、広範囲に広がっていくことだ。
③直線本能
直線本能とは、「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込みのこと。
なにかのグラフを見るときに、伸び続けるという思考をやめる。
いままでの人口の増え方とは違い、この先人口の増え方はどんどん緩やかになっていく。したがって、15歳未満の子供の数は今現在約20憶人いるが、2100年になっても変わらないという予想が国連によって発表されている。

ではなぜだろう。ここまで人類は人口を増やし続けてきたのに、なぜ緩やかになるのか。私の中では、大きく分けて2つの要因があると考える。
まず1つ目は、”生活水準”が上昇したからである。 貧しい人々は働き手が必要なため、子供を多く出産する傾向にあった。しかしながら、生活水準が少しながら改善されたことにより、子供を多く産む必要が無くなり、出産した1人、2人に良い教育、生活をさせるという傾向がみられるようになったからだと私は考える。
そして2つ目は、”医療”の発達だ。 医療が発達したことにより、1歳未満の子供の死亡率が劇的に少なくなったことにより、死亡率を考えて多く産む必要がなくなったからだと考える。
以上のように、世界の発展は人口の増え方にも大きく表れており、これから海外などでビジネスなどを展開すると考える場合は、人口の増え方などを見て、これからの国の発展を見極めていく必要があるのではないでしょうか?
④恐怖本能
恐怖本能とは、「危険ではないことを、恐ろしいと考えてしまう」思い込みのこと。
私たちがよく目にする悪いニュースのだいたいは、「身体的な危害」「拘束」「毒」の3要素を煽るようにできている。
例を挙げると、ある県で誘拐事件が起きました。というニュースが全国放送されました。これは、「身体的な危害」と「拘束」への恐怖を煽っていること。
もう一つ令和挙げる。ある州で、DVにより、夫によって殺害された。同日に、山登りをしている最中にクマによって襲われて亡くなった。←この場合、クマに襲われた事件が大々的にニュースに取り上げられ、DVの事件の方は少ししか放送されないだろう。
DVの方が圧倒的に事件数が多く、注意喚起も含め確率の高いDVを取り上げるべきではないか。
恐怖本能を正しく活用するために「恐怖」と「危険」はまったく別物であることを覚えておくこと。
リスク(危険度×頻度)≠「恐ろしさ」
⑤過大視本能
過大視本能とは、「目の前の数字が1番重要だ」という思い込みのこと。
私たちは何か大きな数字を見ると、現実よりも過大評価してしまう。
”420万人” これは、2016年に亡くなった赤ちゃんの数である。大きな数であることは間違いないのだが、ここにもう一つ情報を付け加えるとどうだろう。
”1440万人” これは1950年に亡くなった赤ちゃんの数だ。過去のデータなどと比較すると、”420万人”という数字は少なく見えてきませんか?
大きな数を見たときには、過去の記録などと比較しないと、その数の本質を見抜けない。
etc.医療が発展した
また、地球温暖化の原因が、「中国やインドなどの国が二酸化炭素を増やしているからだ!」という意見をよく目にする。実際中国などはアメリカやイギリスよりも二酸化炭素排出量が多いのは事実である。だが、1人当たりの二酸化炭素排出量を見るとどうだろう。
人口が多い分排出量が多くなるというのは当たり前の話で、ただ単に大きい数だけ見てその人たちをあたかも犯人かのように仕立てるのは間違っている。
⑥パターン化本能
パターン化本能とは、「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込みのこと。
人は物事をパターン化してしまう。
例えば、「フィリピン人は皆楽観的で家族思い」 「アフリカ人は皆貧しい」などだ。
フィリピン人は皆違うし、アフリカ人もみな一緒なわけがない。
バングラデシュ人は日本人のことを、「機械が直せる人」だと思っているらしい。何か家電やバイクが壊れると日本人を頼るそうだ笑
トヨタなどの産業が発展しているからかな?笑
勿論そんな訳はない。
自分の周りのことならわかるのだが、中々遠い国のことや、自分が関わらない人たちのことになると、ついついステレオタイプ的な見方をしてしまうのだ。いわゆる「偏見」というやつ。
ではどうすればその意識を変えられるのか。
まずは同じ集団の中の違いを見つけよう!
わかりやすいように、先ほどの貧困の話をもう一度もってこよう。
「貧困」という大きな括りの中には大きな違いがある。所得という観点で4つのレベルに分けると、「貧困」の中での違いがわかる。
このように、同じ大きな集団(貧困、アフリカ人、日本人など)の中に存在する違いを分析し、探すことによって偏見などのパターン化本能を正しい使い方ができるようになる。
⑦宿命本能
宿命本能とは、「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込みのこと。
これは私たちの中の意識の中にもあるものです。
”貧しい人は貧しいまま” ”アフリカは世界に追いつけない”
そう思っていませんか?
これは宿命本能が働いているからだ。
アフリカに存在する5憶人もの極度の貧困層の背景には、痩せこけた土地と、紛争がど様々な要因が絡み合っている。そんな人たちはこれから先も貧しいままなのか?
バングラデシュやベトナム、そして中国でさえ、経済成長はありえないと言われていた時代もあった。パターン本能で、中国が出来たからアフリカでもできるというわけではなく、アフリカにしかできない産業や市場がまさにいま展開されていることに、私は希望を持っている。
ここでひとつ調査をしてみた。女性教育が低所得国にどれだけ普及していると思うかという質問だ。結果は以下の通りだ。
答えは60%なのに対し、本文以上の人が20%と答えている。なぜ私たちはこう考えてしまうのか。
私たちには、遠い国の情勢が少しずつ着実に進んでいる現実を認識することが難しいからだ。また、上のグラフでもわかるように、よりドラマチックな選択肢を選ぶ人が大半である。
私たちの中にあるドラマチックな世界を想像してしまうという思考も、この宿命本能と繋がっているのではないか。。。
⑧単純化本能
単純化本能とは、「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込みのこと
本書内の中ではこう紹介されていた。
「子供にトンカチを持たせると、なんでも釘に見える」ということわざが紹介されていた。
どういうことかというと、貴重な専門知識を持っていたら、それを色々な場面に使いたがるということだ。 物事は一つの要因から解決できることの方が少ないということを覚えておくこと。
⑨犯人捜し本能
犯人捜し本能とは、「誰かを責めれば物事が解決する」という思い込みのこと。
これは馴染みのある本能なのではないか?最近の話では、新型コロナウイルス感染症など。
日本でコロナが感染したのは、「対応が遅い政府のせいだ!」
という声をよく聞くし、世論に近いのではないか。しかしその背景には、すぐに政策を打ち出せなかったり、様々な要因が重なってこういう結果になった。何か悪いことがあると、人はすぐに犯人を捜し、責めたがる。
本書内で紹介されている「ガイジン病」を紹介する。
近代医学が発達する前、梅毒という悍ましい病気は、国によって呼び名が違った。ロシアでは「ポーランド病」、ポーランドでは「ドイツ病」、ドイツでは「フランス病」、フランスでは「イタリア病」と呼ばれていた。
このように、その病気を持っている国民が一人でもやってきたら、出身国全体に罪を擦り付ける。これはまさに犯人捜し本能だ。
犯人捜し本能を抑えるにはどうすれば良いのか。
それは先ほどコロナの話で少し話したように、「そうなった原因や背景」を考えることだ。
etc.なぜ日本はすぐに対策を打ち出さなかったのか
社会を深く見ることで、その事柄が一人、1つの団体のせいではないと感じることもあるのではないか。
⑩焦り本能
これが最後の本能です笑
焦り本能とは、「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込みのこと。
これは、どの事柄でも当てはまるということではない。
私は地球温暖化に対して世間に訴えかけている人に疑問を抱くことがある。
「この1年が勝負」と聞いても、ピンとこないし、だいたいがあやふやなデータの下の発言だなという印象。もちろん地球温暖化の脅威は恐ろしいのはわかるが、意気込んで大々的な対策をしようものなら、必ずその副作用を考えなければならない。
では焦り本能を抑えるにはどうすれば良いのか。
それは、物事の解決は、”一歩一歩”という思考を忘れないこと。
大きな対策をして、問題解決を行おうとすると、何かしらマイナスな作用が働く。
今回のコロナでも、更なる感染を防ぐため、海外では都市封鎖のようなものが行われていた。
しかしその都市封鎖によって、他の都市に農産物を輸出していた農民は取引先との契約が断たれ、収入が入らないようになる。
最初は問題解決をするために都市封鎖という大々的な政策を打ち出したが、その背景では仕事がなくなり生活が苦しくなっていったという現実があった。
”物事は大きな一歩よりも、地道な一歩一歩”
最後に、、、
私はいままでで読んだ中で一番、自分の考えが変わった本がこの「ファクトフルネス」だと思っている。もちろん自分が世界を正しく捉えられていないということに気付いたことも、どうすれば正しく世界を見れるのかがわかったのも大きな学びだが、この本の最後に書いてあったエピソードが一番心が動いた。
この本を書いたハンス・ロスリングさんは、世界の最前線で活躍している人々がまったく世界のことを理解していないと主張し、TED×TALKの人気スピーカーなど、多くの場面で訴え続けた。そしてその集大成として、この本「ファクトフルネス」を書き出したという。
彼は本を書いている中、末期の膵臓癌を宣告された。余命が長くても1年とわかっている中でも、彼は自分の生きた証を残すため、本を書き続けた。病院に緊急搬送された時も、手には本の原稿を持っていたそうだ。また、亡くなる4日前まで、出版社に出すメールの内容を指示していたなど、本当に死ぬ間際まで後世のために動き続けた。
”私も彼のように、世界をよりよくするためにアクションを起こすし、死ぬ間際まで世界に訴え続けていた彼を、心から尊敬する”



