昨日、Tanauanというタクロバン郊外の地域でビジョンバンの活動をしました。
区役所みたいな建物の横にバンを駐車し、活動を行っていると、日本人のグループ御一行様が偶然通りがかりました。
そして気さくなおじさんが近寄ってきて、「僕達も今支援しに来てるんです」っておっしゃられて、せっかくなんでバンの中を紹介しました。
そしたらなぜか眼科医療機器に詳しいじゃありませんか!
きくと、日本で有名な眼鏡屋さん、「株式会社三城」の御一行様というんです。
取締役の方、自らこられて眼鏡を配布したり支援活動をされていました。
今日でもう帰られるということだったのですが、その場でなんと眼鏡を約1000着、寄付してくれました。
そしてスタッフの一人の青木さんもビジョンバンにその日残って手伝ってくれるというんです。
いや~・・・本当に嬉しかったです。
なんかこういう心意気というか、Good Heartというか・・・
ありがたいなあって・・・。
もう理屈抜きでかっこよかったです。
・・・
同じタイミングで昨日、慶應大学の眼科医の坪田先生も応援に駆け付けてくれました。
この先生が実は今回のビジョンバンの発起人の一人であり、また東北での大震災時、ハリケーン、カトリーナ時に活躍したアメリカのビジョンバンを東北に持ち込んだ人でした。
昨晩、活動を終え、色んなお話を伺いました。
東北へアメリカのビジョンバンを持ち込むとき、保守的な眼科医会の重鎮の意見を押し返し、内閣府に掛け合って、ロシアの軍用飛行機でアメリカから無償で輸送できたそうなんです。
そして3ヶ月間、眼鏡を失った被災者や震災によって眼の感染症になった方等、多くの被災者の支援活動を行いました。
でも3カ月後、アメリカにバンを返却するには輸送費、半額を払わないといけないとなったらしいんです。
半額、どれくらいの金額かというと8000万円。
そんなお金どこにもありません。
色んなとこに掛け合っても断られるばかり・・・。
そんな中、最後の望みとしてお話した人が、ナショナル・カンパニー、世界のTOYOTAの当時の会長でした。
電話ごしに言われた一言が今でも忘れられないって・・・。
「坪田先生、いいことされましたね。」って。
初めて誉めてくれたって。
誰も今までそんなこと言ってくれなかったって。
その後、トヨタの会長さんがこう続けられました。
「このバンは日本の為に頑張ってくれました。あとはトヨタに任せてください。責任をもって、アメリカに返します。」って。
坪田先生、その時のことを思い出して、涙を流していました。
理屈じゃないんです。
素直に、カッコいいなって。
この心意気、やっぱ国を背負ってるんだなって。
トヨタは本物のナショナル・カンパニーだなって。
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企業は利益のために存在するものと、大学を卒業してすぐに入った会社で教育されました。高級車を買うことがステータスとなっていた会社の中で、ここにおったら腐ってしまうと思っていました。
だから僕は企業で働くことや会社員になることに嫌悪感を少なからず抱いていたようです。
でも、今回、この2つの物語に出逢い、なんだか違ったものが見えてきました。
うまく言葉で表せられませんが、三城さんとトヨタさん、そういうことやったんすね・・・。
なんだか、「企業」という言葉に温かみを感じてきました。
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Learning is a life-long process.
(学びは人生を通して行われるものである。)