震生湖は”商品”なのか?! | 地方政治の未来を創る 秦野市議会議員  古木勝久

震生湖は”商品”なのか?!

 

リゾート法から平成20年代にかけて、まさに震生湖の半世紀は、欲の皮が突っ張ったような利活用計画に翻弄されてきました。

 

二転、三転した震生湖水公園整備計画や震生湖整備推進計画など、計画策定のための委託料と、職員の皆さんが労した時間は今となっては帰ってきません。

今年6月完成を目指す太鼓橋の架け替え工事を契機に、またぞろ、前のめりの動きがありとても心配です。

 

☆原点回帰

ここ数年の震生湖の諸々の取り組みは、“商品としての震生湖”に釘を刺したといっても過言ではありません。

 

平成27年度の京都大学防災研究所の調査、国登録文化財、地元の皆さんによる清掃活動、寺田寅彦句碑の整備、関東大震災から学ぶための取り組みなどに焦点があてられました。

 

まさに原点回帰ともいえる取り組みが始まり、ようやく震生湖の100年後、200年後のスタートに立った矢先です。

 

☆同じ轍を踏まない

例え話として、よく友人には山梨県の忍野八海の歴史を話します。あそこは最初から、観光のために”水場”を確保した訳ではありません。

 

様々な言い伝えがありますが、富士山に登る人の身を清めるためと、農業用水確保ための取り組みがありました。

 

これらの作業が連綿と300年間続いたことが、今の観光に繋がっています。

 

震生湖の太鼓橋で、にわかに演出されようとする「観光」は極めて拙速です。勿論、外から人を呼び、また多くの市民が楽しむための遊興性も大切です。

 

しかし、その前に取り組むべき基礎的な課題が山ほどあるのではないでしょうか。スタートしたばかりの流れをぶち壊して欲しくない、そんな思いです。