新たな疑念が浮上~秦野市長選の問題点 | 地方政治の未来を創る 秦野市議会議員  古木勝久

新たな疑念が浮上~秦野市長選の問題点

落日

 

 

       


おはようございます。落日の中、市役所内の現代彫刻のシルエットが、まるで“墓標”のように浮かんで見えます。


今年1月の秦野市長選挙の公職選挙法違反疑惑に関する報道は、これまで4回にわたって市民等に伝えられました。

 

このような事案は過去においてはないと思います。おそらく、本市の選挙史上、異例ではないでしょうか。

 

神奈川新聞をはじめ朝日新聞、東京新聞の記事をご覧になった市民の方々は、本市のリーダーに何を思われたのでしょうか。

 

これはゴシップではありません。

 

それぞれの記事には「市民の皆さん 議会の皆さん 秦野市の足元のことを考えてみてください」という、強いメッセージが込められていたのではないかと思います。

 

3年前の市議会議員選挙のことが甦りました。車上運動員、俗にいう「うぐいすさん」の対象者に20歳未満の方がいました。

 

当時、未成年でも大丈夫だろうかと不安がよぎり、市選挙管理委員会事務局に確認の電話を入れました。


Q 20歳未満の未成年(当時)ですが、選挙運動の手伝いは可能ですか?
A 未成年であっても、法律改正で18歳以上(有権者)であれば可能です。

 

このようなやり取りだったと思います。念のために、総務省や県選挙管理委員会事務局にも再確認しました。


☆18歳未満の選挙活動~総務省や県の見解は
「18歳以上でしたら、特段の理由がない限り選挙運動等は可能です。しかし18歳未満の方の選挙運動は禁止されています。」

 

「たとえば、18歳未満の方が、いわゆる“うぐいす”や街頭演説で投票を呼びかける運動員等になることは、禁止された選挙運動にあたります。」

 

また「18歳未満については選挙の手伝いではなくても、ウェブサイト等(ホームページ、ブログ、Twitter・Facebook・LINE等のSNS等)で、選挙運動メッセージを書き込む等、選挙運動にあたると思われる行為はできません。」

 

なお、これらのことは「改正公職選挙法」の制定時において、その都度、全国の地方自治体にも通知しているとのことでした。

 

前書きが大変長くなりましたが、これからが本題です。


☆写真から浮上した新たな疑念?!


今回は投開票日当日の「LINE誤配信」に関することは省きます。

 

改めて写真をジックリとご覧ください。何とも形容し難い写真です。

 

もうお気づきかと思います。

 

「必勝タスキ」を掛けたお子様、責任能力や判断能力のない未成年者に候補者本人が付き添っていることです。

 

明らかに未成年者を利用したと思われるような選挙運動です。

 

または選挙期間外であっても、候補者が言う「誤配信」とは性格が異なります。看過できるような内容ではありません。


☆一部の声?! 軽易な違反行為?!


議会周辺から聞こえてくる議論に「一部の人が言っていること」とか「軽易な違反行為である」という考え方があります。

 

しかし、これは違うと思います。つまり「一部の人間」と言う表現は、考え方のマイノリティに対する配慮がきわめて欠けている表現です。この場合、多数決の論理を持ち込むのは相応しくないと思います。

 

また「軽易な違反行為」ということは、根拠のない思い込みではないでしょうか。その「軽さや重さ」を判断するのは市民や議会ではなく「司法」です。

 

もしも、このような違反行為を「軽易だ」と特定していく場合、率先して議会は議員全員で発意して、「手立て」を講じていかなければならないと思います。

 

つまり議会が何らかの意思決定をすべきです。分かりやすく言えば、この問題の「違反行為の重さや軽さ」を判断していただくよう「司法」に任せるべきではないのかと思います。


☆臭いものには“蓋”の文化?!


「選挙活動はやったもん勝ち」ではありません。

 

地方自治法や本市の議会基本条例の本旨には、政治家(市長および議員)は市民に対して、常に信頼感や確かな責任を市民に果たしていかなければならないことが記述されています。

 

4月28日には、この問題を議論する代表者会議が開かれます。

 

多くの議員の皆さんに希望することは、いまだ解明されていない、疑問や問題がたくさんあります。このことを前提にした会議にしていただきたいと望みます。

 

今後とも、議会が自治自律の立場に立って、真相の究明をしていかれることを切望します。


☆総務省ホームページ 現行の選挙運動の規制
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10_1.html

☆参考:未成年者等の選挙運動の禁止

未成年者(年齢満18歳未満の者)は、選挙運動をすることができません(公職選挙法第137条の2)。違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する(公職選挙法第239条第1項第1号)とあります。