再び、一般質問のこと~震生湖の東京軽石層について
難解な文章
出典:京都大学防災研究所 年報第60号 P425
おはようございます。快晴です。とても良い散策日和になりそうです。
18日の一般質問とブログの「地滑り、土砂災害」に関する質問については、市民の方から、また思わぬ方からご意見や提言を沢山いただきました。ありがとうございました。
学者さんが書かれた論文は、当たり前でしょうが専門的過ぎて実に難しいです。このままだと誤解されたままになってしまいますから、“ど素人”の私が口を挟むことはないと思いましたが、敢えて一般質問で引用させていただいた身として、少しだけ付け加えさせていただきます。
東京軽石層は危険ではない?!
昨日は、市内渋沢地区にお住まいの方から「報告書には『単にTPの存在が地震時地すべりの危険性を示すものではない』という記載があります。ここだけ読むと、とても分かりずらくしているように思います。TPの存在は危険でないという、誤解を生じやすい記述です」 こんな意見が寄せられました。
確かに、おっしゃるとおりです。本市の防災担当者でも公式の見解ではありませんが、誤解をして、「TPの存在のそのものは危険でない」という読み方している方もいらっしゃいます。
県西部の一部では、東京軽石層の路頭を目視できる所があります。そういう場所では、京都大学防災研究所が行ったボーリング調査等の必要はないかもしれません。
引用(10)「今後の留意点」には、「特に、斜面下部を切り取った箇所 斜面内部に地すべりの初期状態を示す亀裂がある場合」と前置きして、地下面は分からない、だからこそ、「斜面の安定性を検討しておくことが必要である」という調査の根拠を示しているものと読み取ることができるのではないかと思います。
また調査主体の責任者の一人である千木良雅弘先生が記者会見で「地震をきっかけに地すべりが多発する恐れがあり、点検が必要だ」(朝日新聞・平成28年1月26日夕刊)と述べています。
予防保全のための調査を
「今の逼迫している市の会計では、効果が分からない調査にお金を出せますか」というご意見の方がいらっしゃいました。
調査費用がどれくらいか分かりませんが、人の命が関わっていることです。また被災後のライフラインの復旧・復興のための想定不可能な予算のことを考えたら、防災・減災はやはり「予防保全」でしょうか。
とても予算の天秤にかけるような話ではないと思いました。
「東京軽石層の存在が危険性を示すものではない」ということが「一人歩き」をしてしまい、「今後、調査も検討も必要もない」としたら、それこそ、研究成果だけではなく、こういう「予防保全」の考え方を水面下に覆い隠してしまうのではないかと、むしろ、こちらの方が心配です。
本市の場合、土地造成等において、これまで東京軽石層の存否確認の調査などをしたということを聞いたことがありません。このことは今後、しっかりと光が当たるよう、注視して参りたいと思います。
注*TP(Tokyo pumice東京パミス・東京軽石層)
