「医療費亡国論」を読む~国会質疑、日経メディカル等
医療崩壊への序曲
出典:日経メディカル 2009年3月21日
おはようございます。 市内の公共施設の休館期間を5月31日(日)まで、イベントの中止又は延期期間を6月30日(火)まで、それぞれ延長というお知らせが24日に伝わってきました。
市民の方からは「いつになったら、この忌々(いまいま)しいコロナが終息するのか」「学校が始まるのは、いつなの?」 様々な切実な声が寄せられてきます。
自粛の中で、地域回りが少し滞っています。
こんな時だからこそ、これまで「積み上げ」ていた医療に関する資料などに目をとおしました。タイムリーな「資料」をご紹介します。
医療崩壊の序曲は、既に1980年代に始まった「医療費亡国論」にあるのではないかと思います。【2009..3.21】
日経メディカル←ここをクリックしてください。上 昌広氏の「医療費亡国論」批判。
そして、衆議院 会議録情報 第101回国会 社会労働委員会 1984.5.10
厚生省保険局長・吉村 仁氏VS浦井洋氏・菅直人氏のやり取りをご覧ください。
現在の医療行政に舵を切ることを決定づけた質疑応答だったと思います。
衆議院 会議録←ここをクリックしてください。
医療費亡国論には「検査体制の簡素化の推進」、「医師数」を制限した理由が示されています。このままでは、「医療費が国家予算を食い潰す」という官僚が作成した、もっともらしい数字が示されています。
吉村局長:「薬づけ医療、検査づけ医療」「薬をたくさん使えば使うほど収入が上がる、検査をすればするほど収入が上がる。こういう診療報酬の仕組みそのものを改正することが必要であろう。」
この構造にメスを入れなければならいという、答弁でしたが・・・。
当時、財政緊縮論者やマスコミから喝さいを浴びたと記憶しています。
従来の日本の医療行政を批判しつつ、現在の「医療行政の礎」、厚生官僚の「集大成」が出来上がった瞬間です。
一方、規制緩和の名のもとに、ここから保険制度も「命の市場化」と揶揄されるように、「自由な」民間市場に開放されようになりました。
アメリカの「年次改革要望書」と並行して、生命保険会社の統・廃合が進んだ時期とも重なっています。これもまた頷(うなず)けます。
*参考資料
医療ガバナンス学会~臨時 vol 58 「諸悪の根源は「医療費亡国論」」
http://medg.jp/mt/?p=64
JAcom 農業協同組合新聞~日本の医療制度は世界に誇れるのか?
https://www.jacom.or.jp/archive03/tokusyu/2011/tokusyu111130-15504.html
ちくまweb~世の中ラボ 斉藤美奈子
【第122回】コロナ禍でわかった医療費削減のツケ
http://www.webchikuma.jp/articles/-/206