平成27年度秦野市予算編成方針を読んで | 地方政治の未来を創る 秦野市議会議員  古木勝久

平成27年度秦野市予算編成方針を読んで

財政を見る目

財務部財政課から配布された本市の「平成27年度予算編成方針」を読みました。

生産年齢人口の減少などの影響により、市税収入が低い水準で推移され、一方では高齢化の急速な進行に伴い、社会保障関係費が増え続けていることなど、厳しい財政状況であると指摘されていました。

予算編成方針とは何か。

まず、この予算編成方針を簡単に解説をします。

市は、年内に各部事務事業の予算見積りを行います。この見積りの基本的考え方や留意事項を示したものです。

各部がこの「方針」に沿って行った予算見積りをもとに、市長、財政当局が今年12月くらいから来年2月にかけ調整をし決定した予算案を作成します。そして来年2月後半から予定されている第1回議会に提出し、審議・議決を経て成立する運びになります。

平成26年度では、多くの自治体の予算編成方針の特徴は、消費税や「三本の矢」 (金融政策・財政政策・成長戦略)や「デフレからの脱却」に影響を受けた内容になっていました。

平成27年度は、「人口急減」を最重要課題と捉えている自治体が多いようです。本市も同様です。
明らかに、今年5月に民間機関の創生会議から公表された増田寛也氏(第一次安倍内閣総務大臣)の「ストップ少子化・地方元気戦略」、増田レポートの「消滅可能性自治体論」の影響が色濃く出ているように思いました。

本市は、市の発展につながる優先的・戦略的施策として、3つの分野に重点配分をしています。

(1)出産・子育て施策

(2)地域経済活性化施策

(3)安全・安心で人にやさしいまちづくり施策

予算編成の基本的注意事項として、全体的には緊縮財政としています。具体の事務事業の内容は、現状では明らかではありませんが、業務運営費は部等を単位に前年対比5%の削減目標を設定しています。

さらに来年度方針は、「人口減少」を最重要課題としています。

ここで、話は元に戻りますが、

2040年には人口減少で消滅する可能性のある自治体が896あると指摘されています。秦野市は大丈夫なのか?
2040年には女性20歳~39歳の人口が現状の、マイナス50%以上になる自治体を消滅可能としています。

秦野市の数値はマイナス40.2%とあります。
安心はしていられません。

しかし増田レポートには様々な問題点があります。

ここで、その問題点を一つだけ紹介します。
この人口減少の推定根拠となる数値は、2005年~2010年の人口動向から算出した予測です。

このレポートには、人口減少が、どうのように、何が原因で、進んでいったのか、構造的な調査や分析が見落とされています。
特に若年層の生活や労働の実態調査が全く行われおりません。

ここが大切です。本市の将来の戦略的施策に活かされないだろうかと、期待をしたいところです。やみくもに戦略を立てることではなく、人口減少の主因となっていることが何か。ここが一番、課題ではないかと思います。12月議会では、このことについて提言をしていきたいと思います。<続く>