憂鬱なる月曜日 | 地方政治の未来を創る 秦野市議会議員  古木勝久

憂鬱なる月曜日

雨がシトシトと、渋沢駅南口

今日で、渋沢駅南口4か所での議会報告が終わりました。

明日から東海大学前駅、鶴巻温泉駅に移動です。

たくさんの方から激励の言葉をかけていただきました。

ありがとうございます。
今朝の立ち話は少し長めでした。

「市長は財政調整基金約35億円も貯め込んで、一体、何をするんですか? 秦野市の借金が、1人あたり50万円もあると聞いたが大丈夫なの?」と問われました。実際は、平成25年度末で市債(借金)は約780億円です。しかし、赤字財政ではありません。


財政調整基金とは

少し解説します。年度間の財源不足に対応するため、決算剰余金(一般的には1/2以上)等を積み立て、財源が不足する年度に活用する目的の基金です。家庭でいう貯金です。

財源不足時の穴埋めをはじめ、②災害、③緊急に必要となった公共事業などやむを得ない場合、④財産取得、⑤地方積(借金)の繰上げ償還、いずれかに限定されます。

財政調整基金がない自治体は、税収が当初見込みを下回っても、基金を取り崩して歳入へ繰り入れられず、決算上の赤字になりやすくなります。

本市の今年度の当初予算では、この約35億円のうち約11億円を取り崩して、学習環境の向上を図るため、小・中学校に空調設備を整備するほか、鶴巻温泉駅南口周辺の整備や秦野駅南部(今泉地区)土地区画整理等に活用されます。


「1人あたりの借金約50万円」について

少しだけ説明をさせていただきます。借金はないにこしたことはありません。しかし家庭で言えば、車や家等を購入する時などは、即、キャッシュで購入する人は殆どいないと思います。年収の数倍の借金と返済計画を立てる方が多いのではないかと思います。
地方自治体も同様です。大きな計画や道路、公共施設等を建設する場合にローンを組みます。問題は、借金が返せるかどうかの税収見込み、返済計画がしっかりしているかどうかです。本市の場合は、この部分を見れば、堅実な財政指標があり、プライマリーバランス(基礎的財政収支)は一定保たれていると思います。

財政健全化という名の魔術

ただし問題は、財政健全化、プライマリーバランスだけではなく、何のためのプライマリーバランスなのかを忘れがちになります。

政治や行政の世界には、ことさら借金を誇張して、財政状況が厳しいと恐怖感を煽る風潮があります。確かに人口減少、生産年齢人口減少が将来の財政に与える影響は計り知れないものがあります。

しかし財政健全化が市民負担を重くし、住民サービスをどんどん切り下げていく、理由や都合の良い道具になっていることも見逃せません。一方でムダな公共事業や不要な税金の遣われ方があるのも事実です。本市も同様です。なきにしも非ずです。

概論的に言えば、自治体財政の基本的な目標は言うまでもなく、市民生活と地域経済を支え、市民が豊かになることを目的としています。それが本来の姿です。このことを実現することが行政の目標であり、基礎的財政収支や財政指標の健全化は、その手段であることを忘れてはならいのではないかと思います。

今朝は体調がいまいちです。週明けから、やや憂鬱なる月曜日ですが、これから地域回り、市民の方からの相談業務に出かけます。