予算特別委員会-その1 | 地方政治の未来を創る 秦野市議会議員  古木勝久

予算特別委員会-その1

予算特別委員会(環境産業分科会 )


3月12日から4つの分科会

総務特別分科会、文教福祉分科会、都市建設分科会、環境産業分科会で、新年度、平成24年度の予算審議が始まりました


私は、環境産業分科会で9つの質問をしました。


今回は、その抜粋を紹介させていただきます。


(1)大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)


そらまめ君とは、環境省が”空をまめに監視するシステム”ということで命名されました。


昨年の一般質問でも取り上げましたが・・・。


国の事業として、市内には一般大気の測定局と自動車排気ガスの測定局の2局がありますが、局間の距離が約700m、また汚染物質の測定項目のうち、2局で3つも重複しています。しかも設置されて40年も経過しています。

時代の変化に対応して、再配置を考えるべきと思います。


一般質問での執行部側の答弁

答弁 国の法定受託事務として県が実施しているもので、現状では、設置場所、測定項目いずれも事務処理基準に適合している。県は調査の継続性を重視している。しかし大きな環境変化が生じた時は、県と協議し対応していきたい。

私は、継続性や調査のための調査、つまり調査行政で終結する県の姿勢はどうも理解できない。設置基準については継続性には触れていません。再度、質問をしました。


環境省の設置基準解説

自動車排出ガス測定局は、その設置にあたっては、人が常時生活し、活動している場所で、自動車排出ガスの影響が最も強く現れる道路端又はこれにできるだけ近接した場所にすることが望ましいとされています。


この問題は、不作為と言っても過言ではありません。歴代の行政が、40年間とは申しませんが、見過ごしてきた、ほんの一例でしょうか。



(2)工場排水調査・ゴルフ場農薬について


工場などの排水は、公共用水域に対して法定義務として行政の責務と事業者の義務が課せられています。


ゴルフ場の農薬調査の法的な根拠はどこにあるのか?


平成4年6月1日に締結された6者協定に根拠があるのでしょうが、基本的には、農薬取締法 神奈川県ゴルフ場農薬安全使用指導要綱が背景にあります。


しかしながら、工場排水と異なり、法令や協定にも費用負担はどこにも書いてありません。


汚染者負担原則(原因者負担の原則)ではないのかと思います。つまり排出者責任はどうかということです。


埋蔵文化財包蔵地の開発行為には、事業者負担・原因者負担の原則があります。秦野でも包蔵地の文化財の破壊に対して、発掘費用から報告書作成まで事業者が負担しています。



*(注)汚染者負担原則は、本来は、経済協力開発機構 OECD)が1972 526日に採択した「環境政策の国際経済的側面に関する指導原則」で勧告された「汚染者支払原則


市は、行政として監視するという理由で、自主的に調査をしています。しかし本来は、市が実施する調査費用は事業者負担にすべきです。または事業者への検査行為を立ち入りで監視すべきだと思います。



(3)生ごみ減量推進事業費


「ごみ処理基本計画」のおけるモデル事業として、循環型地域社会の形成を目的としています。



大型生ごみ処理機 リース料と収集運搬

平成22年度 3自治会 650世帯  1,200万円

平成23年度 5自治会 900世帯  1,300万円


平成33年度 2,150世帯  197t 



将来的には

世帯の10㌫、7,000世帯を対象としています。



予算の問題で、民政会の先輩議員の一般質問で、非常に危惧するということを言っていましたが、私も同感です。



私は別の角度から質問をさせていただきました。



現在はモデル事業として、5自治会のご協力を得ていますが



生ごみを収集する理由、そして何を作る目的なのか? 



堆肥化した場合、需要と供給というか、この堆肥は一体誰が使用するのか?



現在、生ごみの処理は、堆肥=特殊肥料、バイオ燃料(メタン・エタノールなど)炭化燃料(RDF)へ転嫁しています。

岐阜女子大学研究報告などをみると、堆肥化については、平成15年度をピークに年々下がっている、自治体でも減っている報告も出ています。


その理由は高規格焼却場の建設と、堆肥の安定供給と安全性に問題があるからだと思います。



さらに言えば、生ごみ堆肥化を進めているところも確かにあるが、わが会派の吉村議員や和田議員が指摘したように、採算などはどうかということを調べる必要があると思います。



つまりだぶついているという情報もあるようです。

何故、だぶついているかというと、農家の人が使用しないというレポートがあります。品質が悪いと言う理由です。



リスクの多い生ごみ堆肥化



生ゴミ処理を優先して堆肥化を安易に計画をするべきでないという考え方もあります。



例えば、堆肥化にあたっては品質の安定、安全性の確保、経済性、需要確保はできているかということです。



収集分別の徹底、(脂分が多ければ土の団粒構造の破壊に、塩分(カリ・ナトリウム)が多ければ質の悪い堆肥ができ、チッソ分が多ければ硝酸態チッソと言う形で地下水を汚染する。腐った生ごみが混入されれば、第一次発酵の保証はない。


土の単粒構造と団粒構造. 植物にとって良い土壌は


『土が50:水25:空気25』 と言われています。



水はけも、水もちも良くなければ、水と空気がほどよくある土壌にはなりません。 水はけや水もちは土の粒構造の命です。排水性と吸水性がなければ土はダメです。




生ごみは普通肥料にはならない。成分が安定してチッソ・リン・カリ 成分分析10㌫前後。

公定規格に沿った成分であることが求められます。



生ごみから作られた堆肥は

土壌改良剤としての特殊肥料扱いです。




チッソ過多問題

チッソ供給過剰が続くと、過剰なチッソは硝酸態チッソというかたちで地下水を汚染する。野菜に吸い上げられるとチッソ過多で人体に影響を及ぼすと言うことは言われています。硝酸態チッソと、2アミン と結合して発ガン性物質 ニトロソアミン を生じる問題が指摘されています。


使い手、需要がなければ、このようにして作られた生ごみ堆肥は産業廃棄物で粗悪で品質が悪ければ、産廃のバラマキになる可能性を十分含んでいることに留意しなければならないと思います。



それでも、リスクの高い生ごみ堆肥化を進めますか?

私はこの状況を早く止めさせるよう、

今後も注視していきます。

続く