民意ということ | 地方政治の未来を創る 秦野市議会議員  古木勝久

民意ということ

議員定数削減は、

避けられない時代


今日、秦野市議会議会活性化委員会が開催されました。


そこで、

私は、現在の税収、財政状況からして、議員定数削減を前提とする考え方を述べました。


市の平成24年度当初予算では、市民税の増収はあるものの、固定資産税、法人住民税の税金の落ち込みで、市税あわせて3億3千万円の減収になります。


定数を議論する時、「削減論」に対して、向けられる考え方として「”民意”を尊重すべき、削減すべきでない」という指摘があります。


私はこの考え方が、何十年も続けられていることを、十分承知しています。


しかし、まるで「伝家の宝刀」のように、議員既得権益としての「民意」を振りかざすのは、いささか政治に対するセンスのなさを感じます。


定数削減によって、少数意見が封殺されるということも十分考えられます。つまり大きな組織や団体に依拠していない立候補者は不利です。少数意見を尊重することは民主主義の原則です。

ただ単に、”民意”ということでなく、少数意見のフォローとして考えるべきと思います。


”民意”という意味を別の見方からすると、障害者就労支援事業や小児医療無料化の年齢制限アップなども民意です。こういう要求、民意に、”議員が身を削って”応えることも議会の責務です。


かつて秦野市は議員定数が28人から26人になりました。2名の削減でした。2名の削減で、「民意」が、どの程度または何パーセント反映されなくなったか、「民意」を主張する前に、市民アンケートなどで数値的証明や不具合の事例を示すべきではないかと思います。



私はこれらの数値や事例が示された時

その根拠に説得力が出て、曖昧で情緒的な言葉から、意味を持つものになるのではないかと考えます。


議員の数だけの問題ではない


一方、削減を定数、人数だけを示す考え方もあります。こういう考え方も根拠のない、単純な冒険主義だと思います。


仮に2人削減したら4年間で、小児医療無料などの社会保障分をカバーできる、というような成果、そして何よりも議会機能が高まる有効性を示さなければ意味がありません。


いたずらに削減数を並べ立てているだけでは、市民の皆さんへの説明責任を果たしたことになりません。


秦野市議会議員の定数は、全国の類似団体53自治体で、法定定数の削減数順位では「ベスト9位」です。かなり削減数は高い位置にあります。


同様な自治体で、報酬順位では全国では、久喜、新座、都城、上田、磐田についで、6番目の低い報酬です。


ちなみに小田原、厚木より断然、低いです。秦野市より人口の少ない、お隣の伊勢原市よりも低いです。


議員定数の問題は、拙速には進められません。

財政状況、市民感覚、議会機能など様々な角度から考えていかなけらばなりません。一度、決めたら後戻りができません。


今後とも、市民の皆様の建設的なお考えをお聞かせください。