月刊誌『現代思想』が、思想家 ハンナ・アーレントを特集した増刊号となっています。25名の識者がアーレントの人と思想について語っています。内容は、情況、共同体、教育、生活、技術、言葉の各視点から彼女の思想を考察したものとなっています。
私が注目したのは、『ハンナ・アーレント』(中公新書)や『アーレントから読む』(みすず書房)などの著書がある矢野久美子さん。「アーレントと出会う」と題したエッセイは、タイトル通りにアーレント思想との出会いや自身の研究歴をたどるものでした。なにげないきっかけから本格的な研究者に。他の研究者の業績も紹介した、興味深い内容でした。
『中動態の世界』(新潮文庫)や『暇と退屈の倫理学』(新潮文庫)などの著書で話題の哲学者 國分功一郎さんの「複数の人間、哲学者、善行を行う者」は、アーレントの思想を映画「バットマン」シリーズの主人公 ブルース・ウェインを例に善行を行いながらもそれを隠そうとする行為について考察する内容でした。
いろいろな角度からのアーレント論、もう一度読み返してみたいですが、同時にアーレント自身の著者も改めて読んでみたいと思います。