カチャ・ベーレン『わたしの名前はオクトーバー』評論社 2024年 | 古本屋へGO!

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古本屋でのちょっと得した話や本をさがしまわったときのエピソードなどを中心に書きます。他にはフリーペーパーやPR誌の紹介など,本や雑誌に関わるささやかな日常を書いていきたいと思っています。

『YA朝の読書ブックガイド2025』で紹介されていた1冊です。

 

 

物語は、森で暮らす少女とその父親の生活から始まります。厳しい自然に囲まれた中で野生を感じながら生きる少女。

 

母親は、そんな野生よりも文明のある生活を求めて去っていったことがうかがわれます。

 

しかし、娘への愛情を無くしているわけではなく、手紙を送ってきたり、何年かに1度会いに来たり。

 

少女はそれでも、自分を捨てたと毎回拒絶。そして、その母親が来たことが発端となり父親が大怪我を。

 

そのため、都会に出て母と暮らし、学校にも通うことになります。

 

野生から文明社会に入る戸惑い。級友たちから野生児扱いされる中で、やっとできた友達。二人で取り組むテムズ川での宝探し。

 

昔沈んだ遺物を見つけては物語を想像する楽しみ。森から連れてきたフクロウの子との別れという悲しみ。

 

様々な思いを抱えながら少女は成長し、学校でテムズ川での「成果」を発表し・・・。

 

最後は、野生と文明を行き来するかのようなハッピーエンド。

 

 

冒頭から、少女の独白の連続で、彼女の感情と思考が一気にこちらに流れ込んでくる感覚で一気に読んでしまいました。翻訳も原著に沿ったものになっているのだと思います。

 

多感な少女が想像力をフルに働かせ、自分が得た物に物語を付与していく姿が印象的でした。

 

 

余談ですが。少女が学校で見た映画の内容が、「その子の名前をぬすみたい魔女から両親をブタに変えられてしまった女の子の物語」って、もしかして、「千と千尋の神隠し」では? と思ってしまいました。