歴史書で知られている吉川弘文館のPR誌です。久しぶりの入手です。
田中洋平さんのエッセイ「總持寺祖院古文書調査のこと」は、輪島の寺院の古文書調査に20年以上携わってきた筆者が、震災・豪雨に見舞われた現地で貴重な史料が多くの人の手で守られたことを語る内容。文化遺産を守ることも大切なことと気付かされました。
橋爪充「『アル添酒』は造らない 静岡の『純米酒』」、北野裕子「『染織の都 京都』を巡る歴史旅のおススメ」、小林善帆「戦後日本のいけ花にみる光と影」は、どれも日本の伝統文化をテーマにした内容。現代に残る伝統の変遷には興味深いものがあります。
知る・守る・変える、どれも良いものを残す上で大事なことだと思いました。
恩田睦さんの「渋沢栄一が海外経験から気づいたこと 〜日本の鉄道・交通の課題〜」は、海外視察をした渋沢栄一が工業と輸送の連携に早くも着目していたことがわかる内容。それだけでなく、交通機関を利用する際のマナーの普及にも尽力したそうで、今の日本の乗客の態度につながっていることがうかがわれました。
新刊で注目したのは、次の本です。
照沼康孝『日本史教科書検定三十五年 〜教科書調査官が回顧する』
※日本史も私たちが10代の頃に習った内容とだいぶ違ったりしているようですが、その変遷を解説する内容。根拠となった新発見などを知りたいです。
海野聡 編『20のテーマでよみとく日本建築史 〜古代寺院から現代のトイレまで』
※建築様式だけでなく、町並みや見世物小屋、厠などの生活空間まで解説しているというので面白そうです。