筑摩書房のPR誌です。
斎藤美奈子さんの連載「世の中ラボ」,今回のテーマは年齢差別。高齢者ドライバーによる事故と免許返納の問題が取り上げられていましたが,私も同感です。高齢者による事故ばかり取り上げるメディアのやり方にも問題があると思います。
斎藤さんは警察庁交通局のデータから,年代別に見ると,80歳以上の交通事故件数は3位で,ブレーキとアクセルの踏み間違い事故は全体の1%だと指摘。客観的に見て,高齢者差別の一例と言えそうです。
特定の職業や属性による不祥事もそればかり報道されることで,あたかにその職業・属性に問題があるかのように受け取られ,挙げ句は法改正にまでなってしまう事例と構造が同じように思えます。本当にそこに問題が多いのか,きちんと統計で示してほしいですが,その統計も都合の良いように加工されている場合もあるかもしれません。
他にも,具合が悪くても加齢によるものと突き放されたり,賃貸住宅・部屋が借りにくかったりと高齢者だから身体が弱い,認知力に欠けるというステレオタイプの対応を問題視しています。
結論としては,周囲も自身も年寄り扱いしないことが大切だそうです。
今回,紹介されていた本は,次の3冊。
佐藤愛子『増補版 九十歳。何がめでたい』,和田秀樹『「高齢者差別」この愚かな社会 〜虐げられる「高齢者」にならないために』,アシュトン・アップルホワイト『エイジズムを乗り越える 〜自分と人を年齢で差別しないために』
どれも刺激的な印象で,読んでみたくなりました。私自身も高齢者の入り口に立っていますので。
新刊で注目したのは,次の本です。
高尾義明『組織論の名著30』ちくま新書
※古典から新しい理論まで網羅しているようです。
中野円佳『教育にひそむジェンダー 〜学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる』ちくま新書
※「らしさ」の強要,ジェンダー以外にもありますが,誰もが自由に生きられる世の中になってほしいです。
海野弘『おじさん・おばさん論』ちくま文庫
※子どもにとって斜め上の存在である,おじ・おばの魅力はどこにあるのでしょうか。
ジョン・チーヴァー『チーヴァー短篇選集』ちくま文庫
※短編小説の巨匠ということで興味をもちました。
吉原直樹『都市社会学講義 〜シカゴ学派からモビリティーズ・スタディーズへ』筑摩選書
※都市社会学の第一人者が語る都市論とは。