みすず書房の月刊オンラインマガジンです。
写真家 奥山淳志さんの連載「あたらしい糸に」の今回のテーマは,やまはげ(なまはげ)習俗。秋田県の伝統行事として知られていますが,奥山さんは毎年,違う地区を訪れては,そこ独自の習俗にふれているのだそうです。
今回は,ある年に訪れた地区から,伝統が受け継がれていく様子と,現代では必要とされなくなってきた部分とを描いています。
地区によって,やまはげのやり方や姿が微妙に異なっているようですが,大人にとってはどこかユーモラスでも,小さな子どもにとっては,やはり恐怖の対象のようです。
身につける稲わらを手に入れるのに手間がかかったり,回覧板で訪問を希望しない家をチェックしたりと,昔からの行事を続けることの厳しさも生じているようですが,現代では仕方のないことと感じます。
私の地区でも正月に行われる伝統行事がありますが,高齢化が進み,亡くなった方の空き家も目立つようになり,役員を引き受けられる家もかなり減っています。様々な改革を行いながら現在の形に落ち着いていますが,やがてはそれも厳しくなってきそうです。
伝統を引き継ぐべきか,解消すべきか,悩むところです。
新刊で注目したのは,次の本です。
ヤン=ヴェルナー・ミュラー『自由と恐怖 〜ジュディス・シュクラーのリベラリズム論と21世紀の民主制』
※快適に進んできたリベラル路線に対する逆走車の数々。新しいルートに逃げ込んだものの,そこは正しい道なのか。政治を交通事故を避ける方法になぞらえた表現のようです。著者が参照するジュディス・シュクラーの論文「恐怖のリベラリズム」の内容とは。民主主義の危機と言われる時代の指針になるのでしょうか。