岩波書店のPR誌です。
作家 原田宗典さんの連載エッセイ「果敢なくもなく」は,火傷した母親の介護をする日々を描いた内容。「すまないねえ」を口癖のように繰り返す母親。わかります。私の母も昨年足を骨折したときにそんな感じでしたので。
原田さんは,母の車椅子を押すうちに,三好達治の詩「乳母車」を思い出したとのこと。かつては乳母車を母に押してもらっていた自分が,今は母の車椅子を押している,そんな思いがこみ上げてきたのでしょうか。
その母親が読んで感動し,涙を流したという新作小説『おきざりにした悲しみは』,読んでみたくなりました。本号の新刊案内ページの紹介文によると,主人公の年齢は私と近いみたいです。その人生の物語,味わってみたいです。
新刊で注目したのは,次の本です。
岸政彦『調査する人生』
※フィールドワークの達人6人との対話集。
吉見義明『焼跡からのデモクラシー 〜草の根の占領期体験〜』上下巻 岩波現代文庫
※戦後草の根民主主義が育つ過程を明らかにした書。
中西正司・上野千鶴子『当事者主権 増補新版』岩波新書
※初版から20年経ち,現在の状況を踏まえた内容になっているようです。社会的弱者が権利を勝ち取ることは,並大抵ではなかったのではないかと思います。