みすず書房編『読書アンケート 2023 〜識者が選んだ,この一年の本』みすず書房 | 古本屋へGO!

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古本屋でのちょっと得した話や本をさがしまわったときのエピソードなどを中心に書きます。他にはフリーペーパーやPR誌の紹介など,本や雑誌に関わるささやかな日常を書いていきたいと思っています。

月刊PR誌『みすず』紙版が休刊となり,毎年恒例の特集号だった「読書アンケート」が単行本として独立しての1号です。

 

139名の学者,評論家,作家等の識者が1年間に読んで印象に残った本を挙げるという方式は変わっていません。二段組みになって読みやすくなった気がします。

 

私は,読書の参考にするため,複数の方に挙げられた本を毎年チェックしています。記憶力勝負なので,数え違いはご容赦ください。

 

3名以上から選ばれたのは,次の本です。

 

 

伊藤憲二『励起 〜仁科芳雄と日本の現代物理学』上下巻 みすず書房

 

デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ『万物の黎明 〜人類史を根本からくつがえす』光文社

 

市川沙央『ハンチバック』文藝春秋

 

斎藤真理子『本の栞にぶら下がる』岩波書店

 

E.ロワイエ,P.マニグリエ編『ヤーコブソン/レヴィ=ストロース往復書簡 1942-1982』みすず書房

 

鵜飼哲『いくつもの砂漠,いくつもの夜 〜災厄の時代の喪と批評』みすず書房

 

猪瀬浩平『野生のしっそう 〜障害,兄,そして人類学とともに』ミシマ社

 

 

この7冊,どれも読んでみたい本です。

 

1〜2名の方が挙げた本の中で私が読みたいと思ったのは次の本です。

 

 

川崎賢子編『左川ちか詩集』岩波文庫

 

※25歳で夭逝したという女性詩人の作品にふれてみたいです。

 

 

 

トム・スタンデージ『歴史を変えた6つの飲物 〜ビール,ワイン,蒸留酒,コーヒー,茶,コーラが語るもうひとつの世界史』楽工社

 

※歴史の陰に飲物あり? 社会にどんな変革をもたらしたのか,興味をもちました。

 

 

 

山内朋樹『庭のかたちが生まれるとき 〜庭園の詩学と庭師の知恵』フィルムアート社

 

※京都の古寺の庭づくりの密着し,その設計図のない作業のプロセスを記録したものだそうです。自分の庭づくりの参考になるでしょうか。

 

 

 

五十嵐元道『戦争とデータ 〜死者はいかに数値となったか』中公選書

 

※戦争に限らず,災害でも事故でも感染症でもそうですが,亡くなった方が数字でしか示されなくなったら…。客観的と割り切れるのでしょうか。

 

 

 

日野行介『情報公開が社会を変える 〜調査報道記者の公文書道』ちくま新書

 

※情報公開制度活用のコツ,知りたいです。

 

 

 

乾淑子『着物になった〈戦争〉 〜時代が求めた戦争柄』吉川弘文館

 

※戦争に組み込まれた服飾やジェンダーの問題,興味深いです。