みすず書房のPR誌です。
翻訳家 辻 由美さんの不定期連載「図書館の可能性」は,留学時代のエピソードの続き。カフェで知り合った就活中の女性にフーコー『狂気の歴史』を勧められたのをきっかけに交流が生まれたのだとか。人との出会いと別れ,どこに転がっているのかわかりませんね。
新連載は,弁護士 吉岡和弘・齋藤雅弘 両氏による「津波と学校防災 〜大川小学校の被災事件から」。今回は津波災害の背景と子を失い,悲しみ,傷つき,憤った遺族が県と市を相手に裁判を起こすまでが描かれています。
今回注目した新刊は次の本です。
ブランコ・ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った 〜世界を制するシステムの未来』
※アメリカ型のリベラル能力資本主義と中国型の政治的資本主義との覇権争いの末に待つものは?
ラルフ・ジェームズ・サヴァリーズ『嗅ぐ文学,動く言葉,感じる読書 〜自閉症者と小説を読む』
※独特の感性と文学との出会いがもたらしたのは何だったのでしょうか。
ヒルデ・オストビー&イルヴァ・オストビー『海馬を求めて潜水を 〜作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険』
※記憶と忘却に関する疑問への答えを探す姉妹が,様々な体験をもつ人々との出会いから得た物とは。
マーシャル・マクルーハン『マクルーハン発言集 〜メディア論の想像力』
※メディア論で著名な研究者の言葉,ネット社会の今にも通じることがあるのでは。
ベッティーナ・シュタングネト『エルサレム<以前>のアイヒマン 〜大量殺戮者の平穏な生活』
※アーレントの『エルサレムのアイヒマン』になぞらえたタイトルですが,膨大な資料を元にさらにアイヒマンについて踏み込んだ考察をしているようです。
ハンナ・アーレント『新版 ラーエル・ファルンハーゲン 〜ドイツ・ロマン派のあるユダヤ女性の伝記』
※ラーエルを知ることにより,アーレントが自身を知ることにつながったという伝記のようです。