社会学者 上野千鶴子さんの連載「情報生産者になる」,今回のテーマは「口頭報告」。研究者には論文を書く力だけではなく,プレゼンの力も必要なのですね。
いちばん共感したのは,パワーポイントの功罪の部分。プレゼンソフトの定番ですが,映像化というメリットはあるものの,プレゼンの流れや内容がそれにとらわれてしまうというデメリットもあるそうです。
私も仕事関係の研修会や講習会にときどき参加しますが,パワポ講義にはもう,うんざりというのが率直な感想です。なにしろ,パワポの画面を最初から最後まで印刷したものを資料として配布し,講師は同じ画面を映して同じ内容のことを話しているだけなのですから。
しかも資料以上のことは話さないので,ノートをとる必要すらないのです。それなら話を聴くことだけに集中できてよいかというと,そうでもない。話がうまい人ならまだいいのですが,そうでないと眠気が。
それでも,もらった資料に全て書かれているので,後からでも内容はわかってしまうのです。なんとも面白くないですね。
上野さんは,パワポを一切使わず熱気のある授業を展開する,マイケル・サンデル教授を見習いたいと述べています。また,肉声で自分の一番言いたいことを伝えることが大切だとも。
要は,視覚効果を使おうが,対話という手法を使おうが,自分の主張をわかりやすく語るということでしょうか。これは相手が小学生でも大学生でも同じことが言えるのでは,と思いました。
新刊で注目したのは,次の本です。
鳥飼玖美子『英語教育の危機』ちくま新書
※11年前に『危うし!小学校英語』(文春新書)を書かれた鳥飼さん。その後,小学校英語は授業時間が増えるなど,勢いを増すばかり。英語のスペシャリストは何を思うのでしょうか。
佐藤信『古代史講義 〜邪馬台国から平安時代まで』ちくま新書
※日本史も新しい発見や学説の変化などで昔とだいぶ様子が変わっているみたいですし,新しいところを勉強したいです。
武田双雲『誰でもカンタン!「いい字」が書ける 〜双雲流20の極意』ちくま新書
※字がうまくなりたいというシンプルな願いのために,その極意を知りたいです。
黒木夏美『バナナの皮はなぜすべるのか?』ちくま文庫
※定番ギャグがどこから生まれたのかを真面目に調べた本のようです。
エーリッヒ・フロム『悪について』ちくま学芸文庫
※学生の頃,フロムをよく読んでいました。今回の本は新訳だそうです。
稲垣栄洋『雑草はなぜそこに生えているのか 〜弱さからの戦略』ちくまプリマー新書
※雑草というと,しぶとく強いイメージですが,実は弱い生き物? そこのところを詳しく知りたいです。
四方田犬彦 編著『1968〔1〕文化』筑摩選書
※1968〜72年の文化現象というと,懐かしいものが見られそう? 当時は小学生だったので,大人の世界の部分はわからないかも。