『春秋』4月号 | 古本屋へGO!

古本屋へGO!

古本屋でのちょっと得した話や本をさがしまわったときのエピソードなどを中心に書きます。他にはフリーペーパーやPR誌の紹介など,本や雑誌に関わるささやかな日常を書いていきたいと思っています。

大学教授 星川啓慈氏のエッセイ「わが家のお墓ができるまで」は,亡くなった父親のために墓を建立するというドキュメント。しかも,オーソドックスな墓ではなく,デザインや彫る文字も凝ったものをというのですから,余計に大変です。

あれこれと迷い,探し求めて完成にいたるまでの過程がドラマチックでした。


原田融道氏の「放下着!」は,亡くなった老師を偲ぶ内容。修行僧の生活も窺われ,興味深く読みました。


新連載は神田有氏の「こころざし 風説九十四年 ~『春秋社』小史」。同社創業のころのエピソードを紹介しています。『トルストイ全集』の刊行からスタートしたのですね。それに直木賞の直木三十五もからんでいたというのですから,面白い。このへんのところはウィキペディアの「直木三十五」の項目にも出ていなかったので興味深いです。

もっとも直木氏自身は,とんでもない人間として描かれていますが。今では名前も作品もほとんど忘れられ,「直木賞」の名称だけが知られている人物のその後は描かれるのでしょうか。

とにかく,今後の展開が楽しみです。


竹内整一,清水博両氏による往復書簡という形の連載「生命への問い」は最終回。今までの「はかなさ」「みずから」「おのずから」をキーワードにした論考が世阿弥の能を例にして,まとめられていました。



今月の新刊で注目したのは次の本です。


角倉蘿窓『清風歩々 ~禅道探究日録Ⅲ』

※「空の自覚」の心境に達した最晩年に記された最終刊だそうです。