外岡秀俊氏の連載「傍観者からの手紙」,今回は福島原発20キロ圏内の光景から。人気が全くなく,町も自然も放置されたまま時間が止まったまま。そんな光景を外岡氏は,萩原朔太郎作の「猫町」に例えて表現しています。
私は読んだことはないのですが,現実を裏側から見たかのような世界,こわいような感じが伝わってきました。
酒井啓子「『アラブの春』と『ウォール街』と『3.11』をつなぐもの」,小池昌代「三月の冷たい水」はともに専門の立場から3.11を見つめ直す内容でした。
森まゆみ「奇祭・湯かけ祭りの朝 ~どたんばの八ッ場ダム」は,ダム建設にからむ政治の論理が原発と同じことを指摘していて興味深く読みました。東京ー福島の関係は日本中にあるということなんでしょうね。
石川美子「ロラン・バルトの中国旅行」は70年代のバルトの中国体験を描いたものです。同じアジアでも日本を訪れた時と違い,終始不機嫌だったようですが,日本人としてそれを喜んでもいられません。今の日本を見たら,バルトが何というか…。
今月の新刊で興味を持ったのは次の本です。
アンドレ・シュフネル『ドビュッシーをめぐる変奏 ~印象主義から遠く離れて』
※民族学者であり音楽学者である著者が,様々な視点から新たに描き出すドビュッシー像とは。