4冊目 | 古本屋へGO!

古本屋へGO!

古本屋でのちょっと得した話や本をさがしまわったときのエピソードなどを中心に書きます。他にはフリーペーパーやPR誌の紹介など,本や雑誌に関わるささやかな日常を書いていきたいと思っています。

久保大『治安はほんとうに悪化しているのか』(公人社)を読みました。

やはり統計データというものは使う人に都合良く加工されやすいものだとわかります。「犯罪は低年齢化している」,「外国人による犯罪が増えている」,「犯罪が凶悪化している」など最近のニュースからつくられていく言説が実ははっきりとは言い切れないことだと知らされます。

また,統計自体も警察が取り締まりを強化したときとそうでないときでは数に差がつくし,犯罪の定義の解釈でも違ってしまうというのですから驚きです。万引き犯が逃げる際に店員を突き飛ばしたから窃盗から強盗に「格上げ」されてしまうなどという事例も。

マスコミが国民の不安を煽るような論調なのも気になります。日本人の質が落ちている,日本社会が悪くなっていることを前提に議論がなされてしまうのです。政治も法改正先にありきで,まずきちんとした調査がなされているのかと疑いたくなります。

若者や外国人が何となくこわいという不安は誰もが抱くのかもしれませんが,そのイメージを裏付けたいがためにいいかげんなデータを引っ張ってくるのはまずいと思います。偏見だけが先行してしまうとかえって悪いことになってしまうのではないでしょうか。