昨日2月12日は私が首を長くして待っていた診察日だった。

(今までの流れを読んでいない方にむけて。主人が個人病院の脳外科から、街一番の脳神経内科の特殊外来につながれ、色んな検査を経ての診察日。最初の個人病院の脳外科から2か月近く経っている)

前日は、意外にも不安と心配でほとんど眠れなかった。

 

何か異常があるに決まってぐらいの感情でいると自分では思っていたが、いざどんな診断が下されるのか、やはり若年性認知症なのか、もしそうであれば職場やお義父さんやお義母さんには私が伝えた方がいいのか、認知症の中でもどの認知症なのか、、、など、とにかく色んな感情と不安、怖さが混ざり、考えても仕方ないのにグルグルとずっと頭の中をまわっていた。

 

朝は子どもを保育園に送り、二人で病院に向かった。

 

まずはMRIを撮り、そのあと診察。

 

MRIが時間を押し、撮り終わるまでに一時間以上かかった。

 

そのあと診察に向かったが、MRIの画像が届くまで待って下さいとのことで、診察室の待合室でも一時間以上待った。

 

MRIからの時間はとにかく長かった。不安な気持ちしかない。異常が見つかってほしい自分と怖くて不安でたまらない自分とが同居している。結局私は何を望んでいるのか、自分でもわからなくなっていた。

 

診察室に呼ばれ、中に入り先生から話を聞いた。

 

私は母が形見として残していってくれた腕時計に触れ、ぎゅっと力を入れた。この時計は特別な時だけするようにしている。パワーがほしいとき、神頼みしたいとき、お母さんお願いと思いながらつけている。効果があるのかはわからないが、つけているだけで気持ちが違う。

 

「作業療法で受けて頂いた記憶力テスト、こちらは高得点で特に問題ないですね。

 

で、脳の電流検査ですが、こちらもとくには問題ないです。

 

MRIですが、特別手術の必要があるとか、傷があるとか、そういったことはないですね。

 

なので、こちらの科での判断は異常なしということになります。」

 

(本当に・・・?こんなに色々おかしいのに、しかも最近やたらと疲れていたり、目立って判断力や記憶力が落ちていて、家に帰ってきてくれるたびに今日も家に帰ってこれてよかったって思うぐらいなんだよ。

家に帰ってこれない日が出てくるんじゃないかとおびえてるぐらいなのに。

しかも普段はおとなしい旦那がこの認知症テストうけるたびに不機嫌マックスで怒りを抑えられないほどなんだよ。それって脳に何か抱えてる人がよくある症状なんじゃないの?

人事尽くして天命を待つで色々と主人のおかしいと思うところを時間かけて書いたり、作ったりして結果、天命がこれか。これが本当の結果なのか。

マジで何にもないの?嘘だろう・・・)

 

と思ったが、医者の態度的に何を聞いても異常ないんだから何を言ってもそれを受け止めなさいと言われる気がした。このお医者さんはこちらの気持ちにはきっと寄り添ってくれない。

 

異常ないと言われてるのに異常があるに決まってるとはいえない。現に異常がないデータがこれだけそろってるんだから。

私がおかしいのか?私が主人の様子が明らかにおかしいと思う見方がおかしいのか?

 

何を言っても仕方なさそうだと思いつつも、何も言わずに帰るのも違うと思い、ようやく振り絞った言葉が

 

「あの、夏ぐらいから明らかにおかしいんです・・・」

 

そう私がいうと先生は

 

「軽うつかもしれませんね。気になるなら精神科とかになりますが。ただこちらの科では何も異常ありませんから」

 

と話した。

 

もう帰りなさい、異常がないんだからそれを認めなさいと言いたいのだろうと感じた。

自分の専門の範囲内で問題ないのであれば、それ以上のことはする必要がないのだろう。

 

でも、私がどんなに困っているのか、紙を読んでわかってほしかった。

この科で問題がなくても私が気になっている状態的に考えられる科を教えてほしいと思ったが、この人はきっと責任を取りたくないが先にくるタイプだろうし、たぶんもう自分で何とかするしかない領域の話なんだろうなと感じた。

 

「わかりました。ありがとうございました」と言って部屋を出ようとすると主人はちょっとびっくりしたようで、「えっ、お前もういいの?色々聞かなくていいのか」といった雰囲気だった。

診察室を出た私はいろんな感情がうずまいていた。

この診断が本当に合っているのかとは思いつつも、進行性のものじゃなくてよかったという安ど感はあった。街一番の大きな病院でこれだけ精密検査してもらったのだから、たぶん若年性認知症は大丈夫だろうと思った。

 

ただ、検査を受けていただけで機嫌が悪い主人が何を思っているのか、お前が間違ってたじゃないかとまた怒り狂うのかと思うと正直気が重かった。

 

はー、崖っぷちの大ピンチだ・・・が正直に思った気持ちだ。

 

でも、鬱だとは考えずらい。実際、今かかっているのかもしれないが、それは根本的な問題ではない。何か別のものもあって、鬱にもなっているならわかっているのだが、問題の根幹が鬱ではないと感じたし、精神科に行って薬の必要がないのに薬を出すようなところに行ってしまうのも怖かった。

 

主人は私と1歳の子どもがはいていた時の靴下の大きさの違いがわからない。

同じ黒だからわからないと言う。これは2年前の話だ。今でもわからない。鬱だからわからないのか。

 

この先、どう進めていけばいいのか。

異常がないと言われたのだから、それを受け止めた方がいいのか。

それとも別の可能性を探っていけばいいのか。

別の可能性っていっても、精神科ぐらいしかない。あとは発達障がい。

 

ただ、発達障がいは以前主人が勝手に行き、全く問題ない、発達障がいの可能性は極めて低いと言われている。

 

八方ふさがりだ。自分の感覚だけを信じて進んできたのだが、もはや自信もない。

どうすればいいのだ。

でも相談できる人も相談できる場所もない。

 

異常が出るまで連れまわすのかと主人に言われる気もした。

 

何が正しいのだろう?

主人ではなく、私がおかしいのだろうか。

わからない。

主人が普通と違うと感じて動いている私にとって、普通ってなんだろう?を改めて痛感する日となった。

続きはまた書きます。