働く主婦“ふう”のしあわせ探し-ST280040_0002_0001.jpg


「ぼく、実家広島なんです」



わ~、もみじ饅頭だァ~。



印刷会社の青年から、新年のごあいさつにと、もみじ饅頭を2個いただいた。



それと、卓上カレンダー。



営業マンの彼はものすごく頑張っている。


初めて飛び込みでチラシを持ってきた時、あまりの熱意に思わず胸を打たれた。



だが、一度だけしかお仕事を依頼したことがなく、

その後も何度か割引キャンペーンがあったりするとやって来たりしていたが、

ごめんね、とお断りしていた。


にしき堂のもみじ饅頭。



実家の広島で買ってきた、と彼は言った。


きゅん。きゅん。きゅん。



いい子だよ。



こんな青年がまだいたなんて。思わず胸が熱くなった。


彼の隣りに突っ立った、ぼんやりした男性が名刺を差し出した。


「店長」 だってさ。

へん。名ばかり店長め。


部下の頑張っている姿を見てキョトンとしている。



「また何かありましたら、そのときはよろしくおねがいします。」


不器用そうになんどもなんども頭を下げる青年の頭に、


以前はなかった白髪がびっくりするほど増えていた。


ちくりと、胸が痛んだ。


帰り道、もみじ饅頭を早速一ついただいた。


とっても優しい甘さだった。


家に帰ったら、彼に年賀状を書いてあげよう。