こんにちは。
NPO法人CLE協会(色彩生涯教育協会)の
マジカルカラーリスト、近藤智美です。
私たちはたくさんの色に囲まれて
暮らしていますよね。
以前にもブログで
「モノが見えるしくみ」について書いていますが、
色は、光とそれを見る目と物体そのものがあると
「見える」というのが成立します。
色が見えるのは、
特定の色の光が目に届くということです。
たとえば
ネオンサインの青い光が目に飛び込んでくれば、
私たちはそれを青いと感じます。
では、
自分から光を出していない「物」が、
青く見えるのはなぜでしょうか?
これは、物に当たって反射してきた光の色を、
私たちはその物の色として見ているのです。
青い光だけをはね返し、
それ以外の光を吸収する物からは、
青い光だけが目に入ってくるので、
私たちは青い物と感じています。
同じように、
赤は赤い光だけを、
黄色は黄色い光だけを反射します。
白はすべての光を反射しています。
黒はすべての色を吸収し、
目に入ってくる光が何もないので
黒く見えるのです。
これが「物についた色」の見え方のしくみです。
空の青も、
信号の赤も、
レモンの黄色も、
さまざまな波長の光が目に入って
色が見えるという原理は同じです。
物が光を吸収するとは、どういうことなのでしょうか。
光が吸収されるとき、
物を構成している原子の中の電子が
エネルギーを受け取り、
高エネルギー状態(励起状態)になります。
その後、
電子はエネルギーの低いもとの状態に戻り、
そのとき、
熱エネルギーを放出します。
黒い紙に光が当たると熱くなるのは、このためです。
海の中に潜ってみると、
青一色の世界が広がっています。
水も空気と同じで透明なのに、
どうして青い色に見えるのでしょうか?
それは、
海中に差し込んだ光のうち、
波長の長い光(赤、橙色、黄色など)を
水分子が吸収する性質があるからなのだそうです。
深くなればなるほど、
赤っぽい光は吸収されて失われ、
海中を進む光は
波長の短い青っぽい光だけになっていくのです。
そして、
深い海では青い光しかなくなり、
鮮やかな赤い色の魚も、赤く見えなくなります。
反射すべき赤い光がないからです。
ちなみに、
水が青く見えるのは海だけではないです。
学校のプールもそうでした。
それに、
海水やプールの水は、
上から見ても青く見えます。
青い光が海底などに当たって
外に飛び出してくるのと、水面が、
空の青を鏡のように映しているからです。
そして、
海の色は、
汚れやプランクトンの存在によっても
影響を受けています。
海中に届く光の波長は、
海の状態によって、
スペクトルと水深との関係も変わってくるのだそうです。
だから、
海はぜんぶ同じ色というわけではないのですね。
