アタマのてっぺん その3 | 陽気なインチョの日常と回診

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ふくやまです。 タコとタイと子午線のまち・明石(兵庫県)の小さな病院の院長です。消化器外科医で緩和ケアをやっています。マジメ2割+小ボケ8割のブログですがよろしくお願いいたします。



今日もさらにええ加減。



さて今日が締めくくりですが、薬物治療 について。

こんなこと、あんなこと、言われたけど、

手っ取り早いのはないのかよ!!

というみなさま。お待たせいたしました。

僕もビリーズブートキャンプより

10分立っててぶるぶるされているだけでやせる

(うそ臭いけど・・)の方に惹かれてしまうコンジョ無しなもので。


そんなコンジョ無し・・

もとい、確実な結果を求める方には

ご存知、大正製薬のリアップ

最近、飲む育毛剤として日本でも萬有製薬から発売された

プロペシアがあります。

もともとリアップは高血圧の治療薬として開発されたのに、副作用の多毛があって、

外用発毛剤として現在に至っています。面白いですね。

プロペシアとは、男性型脱毛症の進行を抑制するための経口薬、飲む育毛剤です。


これもまた、前立腺肥大や前立腺がんの治療薬として開発されて、

副作用として異常発毛をみたことから発毛剤として現在に至っています。

2つとも副作用がきっかけです。

面白いですね。

プロペシアは男性型脱毛症の進行を遅延させます。

・・・もう、遅いやん。

という方もおられるかも、しれません。

ごめんね。


また、プロペシアは医療用医薬品で、購入には医師の診断、処方が必要です。

いつでもふくやま病院に来てください。

ただし、

治療費は保険の対象とはならず、全額自己負担となります。

プロペシア服用は成人男性が対象となっており、女性は服用できません。

万有製薬のホームページによると、服用された方の98%で3年間、男性型脱毛症の進行を認めません、とのことでした。

眉につば、ではなく

アタマのてっぺんにつばをつけて読みたくなりますが、

現状維持も成果のうち、ということですね。


最後に。

僕の大好きな故伊丹十三さんの本

「再び女たちよ」からの抜粋でこの文章を締めくくりたいと思います。

「人間の頭はなぜ禿げるのだろう。一説によれば、頭蓋骨を覆う皮膚が、頭蓋骨にあまりにもぴったりと貼りつきすぎているような場合、皮膚の中を流れている毛細血管が圧迫されて鬱血を引き起こし、これが脱毛の原因になるという。
中略
ならば―ナンダ、簡単なことじゃないの。要するに皮が頭蓋骨にぴったりと貼りつきすぎているんでしょ?だったら皮をのばせばいいんじゃない。ネ?つまりさ、髪をどんどん引っ張ってさ、皮を伸ばしちゃえばいいんじゃない。
というわけで、私は髪を引っ張ることをはじめた。
中略
もちろん、あなたは今、これを本気で読んではいないと思う。でもね、これは本当なんです。髪を引っ張りはじめてから―そうねえ、ものの一週間目くらいで髪がぴったり抜けなくなった。
第一、髪をつかんで頭の皮を持ち上げるというのはなんとも気持ちのいいものなんです。
頭の皮が持ち上がって、頭蓋骨との間に隙き間ができる。押しひしがれていた血管がやっと形を取り戻して、おもむろに血液の循環が再開する。その、ムズムズするような、またチリチリするような感覚というのはなにものにもかえがたいのです。夜もよく眠れるのです。


そうか!

大学卒業から進展しなかったのは、

この本を読んで、頭を洗うときに

頭皮を揉み洗いしていたから?


現状維持も、伊丹さんのおかげかもしれん。

そろそろ、僕も薬物治療に頼る時期が来たかもしれませんが。


向こうで呼んでいます。
さて、女房に引っ張ってもらいますか。


と伊丹さんはおっしゃって文章を締めくくっておられます。


奥さんに引っ張ってもらう人も、

彼女に引っ張ってもらう人も、

自分で引っ張ってみる人も。

みんなに毛が生えてきますように。


(佐野元春の歌にこんなんあったね)






Happy new hair!!