フィンセント・ファン・ゴッホ。
いまや知らない人はいないと思います。
世界的に知られる有名画家。
だけど、彼が生きていた時代にはほとんど理解も評価もされず、
孤独のなかで狂気に苦しみ、わずか37才で自ら命を絶ってしまった。
そんなゴッホの作品を、家の玄関入ったところ、一番目立つところに飾っています。
もちろん、レプリカよ
これがゴッホの作品って知っている人は少ないかもしれませんが、
日本語では「花咲くアーモンドの木の枝」って呼ばれているみたい。
まるで梅か桜みたいに見えるんですが、アーモンドの花なんですね。
ゴッホは日本のアートにも一時期とてもハマったらしく、浮世絵の模写や、日本画っぽい作品もたくさん残しています。
この作品は、唯一の理解者だった弟のテオに赤ちゃんが生まれたときの出産祝いとして贈ったもの。
日本の影響が感じられる一方、ゴッホらしい筆のタッチは健在で、しかも明るいニュースに希望の光が感じられるような、そんな作品で大好きなんです。
日本を離れて暮らす私には、「桜」に見えるし、
デンマーク出身の夫にとっては、「アプリコット」に見えるそうで、
個性的な表現のなかにも、なつかしい、あたたかい感じがします。
*****
そんなゴッホ画伯のユニークな展覧会があると聞いたら、行かないわけにはいきません。
娘たちが予約してくれて、ガールズ&ボーイズみんなで行ってきました。
ふつうのギャラリーとか展覧会とは全然違って、ほんものの作品は飾ってないの。
(もしかして、どっかに飾ってあったのかな?)
会場に入ると、まず目につくのが、あの有名なゴッホのお部屋の絵を3Dにしたもの。
ほんもののお部屋になってるの。
ゴッホの絵はこんな感じだとおもうけど↓
3Dだから違う角度からも見られる↓
そして、さらに奥に入ると、Starry night ☆☆☆
星月夜の絵のなかに入っちゃう
その先は・・・
音楽が聴こえてきて・・・
最初は、ヴィヴァルディの四季の夏の第三楽章だった。。。
見えてきたのは、たくさんの大きなスクリーン。
そこに作品が映し出されていきます。
静止画像ではなく、アニメーションにように動きがある映像なんです。
水面がキラキラ光っていたり、
空に浮かぶ雲が風とともに流れていったり、
雨が降ってきたり、
鳥が飛び交っていたり、、、
そして、ときどきゴッホが残した手紙の一部や、解説がスクリーンに映し出されます。
最初は意味がよく分からなかったのですが、ゴッホの生涯を作品とともに追いかけて表現していく、動く映像、つまり映画のような展覧会なんだと。
ものすごく惹きこまれていきました。
音楽もその時代の雰囲気や、ゴッホの気持ちを伝えるように選曲されていて、とってもマッチしていました。
最初は「これはヘンデルのサラバンド」「これはサティのジムノペティ」なんていちいち思ってたんですが、だんだんそういう知識レべルのことは、どうでもよくなってきました。
人はどこに立っても座ってもOKなので、観客もスクリーンに同化してしまいます。
ゴッホが一時期ハマっていた日本画ブームの影響を受けた作品のときは、日本の「さくらさくら」がBGMになってました。
ゴッホの浮世絵。
そして、次第にゴッホらしい、あの独特の表現になっていく。。。
有名な「ひまわり」
入口に3D化されていた、ゴッホのお部屋↓
ゴッホは生涯に2100点ものアート作品を残したそうですが、そのうちの油絵800点ほどはそのほとんどが最期の2年間に描いたものだとか。
ほんとうに芸術に魂まるごと打ち込んで、1日にいくつもの作品を描いていたんですね。。。
特に、精神病患者として施設に入ってからの作品は、
ゴッホらしさが炸裂していて、ほんとうに素晴らしい!
スターリーナイトの映像表現、とても美しかった☆彡
ゴッホ独特の筆の流れから感じる激情に、ちょっとこれは行き過ぎていてコワイ…と感じてしまうこともありましたが、
今回、ゴッホの世界にすっぽり入ってみて、そんな独特の表現に「旨味」を見い出してしまいました。
ゴッホは37才のとき、自分の胸に銃をうって、2日後に死んでしまうんですが、
その直前の手紙に
I can't live without live.
(愛なくしては生きていけない)
って書いてあって。。。
自分で銃殺してしまったのは、精神疾患による発作だったのかもしれず、
自殺を意図したわけではなかったのかもしれません。
つまり、愛がないから自殺したわけではなかったかもしれないんですが、
この一文がいまも心に残っています。。。
ゴッホの作品は生前はほとんど評価されず、貧困にあえぎつつも弟の支援を受けて絵を描き続けたそうです。
「ボクの絵は売れない。だけど、いつかこの価値が分かる日が来るだろう」
みたいな文章も映し出されていました。
実は、自殺する直前には、絵の評価も高まってきていたそうで、もう少し生きていたら「価値を認められる喜び」を感じられたかもしれないのにね。。。
まわりに狂人扱いされたり、理解されなかったり、愛されなかったりしても、
自分の表現を信じて描き続けたからこそ、後世に大きな影響を与えたんですよね。
誰に理解されなくても、自分が信じるもの、好きなものは大切にしないとね。。。と思いました。
この動画、大好き 泣けてくる