還暦の結婚式のあと、新婚旅行という建前で、デンマークに来ております。
デンマークは、夫ラースが生まれ育った国。
今まで何度も来ているけれど、今回は、お義父さんが亡くなって以来の7年ぶりです。
コロナのロックダウンもあったし、戦争が起きてロシアの上空を飛べなくなったり、、、
で、久しぶりでした。
デンマークはじめ北欧の国々は、福祉が手厚く、
幸福度ランキングで毎年上位を占めていますよね。
最初の1週間は首都コペンハーゲン郊外で
家族、親戚、お友だちのお世話になりまくってますが、
そのなかで、「幸福度の高さ」のヒント?を感じたので、
考察記事を書いてみます。
とにかく、日本ではありえないことがいっぱいなのです。
日本にはない発想だったりシステムだったり考え方だったりするので
説明がなかなか容易ではないのですが、
話を分かりやすくするために、ちょっと大げさに表現してみます。
①音楽大学出身の女性歌手が、この国を動かす重要なポジションにいる。
いわゆる総務省事務次官みたいな仕事といえばいいのでしょうか?
(ちょっと違うんだけど、そういう部署が日本には存在していないみたいで…)
全国すべての市町村長と、国を直接つなげる役割をしているセクションで、
国レベルの決定事項を市町村に実行してもらうための指示や調整、
また市町村からの要望や意見を国レベルに提言する役割も担っているそう。
その部署のトップを務めるのが、先日50歳になったばかりの女性。
音大出身の歌手で、グリーンランドの支援も行ってきた、
畑違い?と思われちゃうようなユニークな職歴をもつ三児の母なんです。
彼女がカバーする領域は、地球環境問題への対応から、軍事防衛、防災対策、医療福祉、教育、インフラ、財政予算まで、国レベルで行うべき課題をすべて扱っています。
日本だったら、そういう重要なポジションは有名大学出身のエリート(しかも男性のイメージが強い)で、大学卒業以来ずっと同じ官公庁で同じ専門分野で半世紀くらい修行してきた人が担当しているんじゃないでしょうか?
そんな専門的な知識背景をもたない人に、広範囲の責任重大な役割を任せるって、
デンマークの革新性、社会の寛容性を改めて思い知らされる気がします。
彼女は特に専門分野をもっていないので、あらゆる課題を一般庶民の感覚で捉えて実務に落とし込むせいか、動きも早いし、対応の仕方も現実的で、バランス感覚がいいように思います。
そして、なにより「インターパーソナルスキル(他者と効果的にコミュニケーションし、関係を築き、協力して仕事を進める能力)」が非常に高いと感じます。
②フルタイムの仕事をしながら、週末は別荘の改装を自分たちでやる。
オーストラリアでも家の改装(リノベーション)をやる人は多いのですが、
彼女たちがすごいのは、全部自分たち2人だけでやってのけるところ。
天井を外して、大きな梁を通したり、
壁をぶち壊して窓を大きくしたり、
土を掘り返して下水管を通したり、
木を切って家具を作っちゃったり、
温室(グリーンハウス)を建てちゃったり、
もしかして大工さんですか?と聞くと、いや全然。
それなのに、ふつうその道のプロに依頼するようなことまで
自分たちだけでやっちゃうのです。
しかも、女性2人だけで。男性でも大変そうな力仕事をへっちゃらでやる。
さらに、トライアスロン、アイアンマンも趣味でやってて、
仕事と家の改装の合間に、トレーニングや競技に出かけてる。
そして今日はトライアスロンの試合でメダルをもらってきた午後、
裏庭で養蜂箱のメンテをやってました。
養蜂は誰かに習ったの?と聞いたら、
「本読んだの」だって
そのバイタリティ、どこから出てくるの
③レズビアンカップルに3人の子どもがいる。
デンマークでは LGBTQ+(性的マイノリティ)の社会的受け入れが早く、同性婚はもちろん、同性婚カップルが子どもが産み、家族として育てます。
友人のレズビアンカップルは、精子ドナーを精子バンクで選び、同じ精子を人工授精させました。同じ男性の精子なので、兄弟は同じDNAを引き継ぐわけです。
最初の2人はパートナーが産み、一番下の子は彼女が産んでます。
生まれてきた子ども3人は、もちろん彼女たち2人で育ててきました。
3人とも立派に成人して独り立ち。
子育て完了
いまはベンガル猫2匹と暮らしてますが、
パートナーさんと仲良しで、
とっても幸せそうです
その娘さん(22歳)が、最近日本に観光に行ったそう。
日本はいま観光ブームで大人気ですが、
多くの外人さんは、ディズニーランドやスキーなどアトラクションを楽しんだり、
京都のような歴史を感じるところに感動したり
東京の大都会ぶりに刺激を受けてきたりするようです。
ところが、彼女たちの娘さんは、日本から帰ってくるや
このように報告してくれたそうです。
「ハグしてあげたくなるような人がたくさんいた」
特に東京は、下を向いて苦しそうな顔して歩いている人が多くて、
なんであんなに不幸そうなんだろう?と思ったそう。
それ聞いて、なるほど と、うなづいてしまいました。
たしかに、日本人(特に都会の人)、みんなハグ不足かも~。
愛されてる実感がないから、苦しそうにうつむいて、
ストレス爆発寸前でなんとか生きてるのかも?
その様子を人々の表情から察知した若い彼女は
「ハグしてあげたくなった」
と表現しているのです。
ハートチャクラ満開のお嬢さんなんでしょうね。
日本人、なんでそうなっちゃうんだろう?と思ったけど、
上記に書いた「日本ではありえないデンマークの常識」をひっくり返したら
その答えが分かるような気がしました。
デンマーク社会には、
いつからでも路線変更できるチャンスがあり、
自分の能力を生かして仕事もプライベートも楽しむ余裕があるし、
自分らしさをそのまま表現できる自由があるんですね
そのあたりが、幸福感につながっているのかもしれないなーと思いました。
日本社会にも、そんな自由度、遊びの幅がもっと広がったらいいな~