こんにちは、久しぶりのブログです。
この写真は4年前。娘たちの高校卒業式。
双子のひとり、カレンはこのあと大学の教育学部に進み、
今年7月から高校の先生として就職し、働きはじめました。
ほんの4年前まで自分が高校生だったのにね。
超特急で卒業したので、20歳で高校教師デビューです。
専門は数学と科学。
理数系の先生は不足しているうえ、
特に、最近教科として加わった人気科目「心理学」を専攻しているので、ひくてあまた。
卒業する前から、あちこちの学校からオファーをもらっていました。
そんな恵まれた売り手市場で、カレンが選んだ学校は・・・
なんと、クイーンズランド州で一番荒れている公立校!
大学時代、教育実習は4回もあったので、お行儀のよい私立校から、大変そうな公立校まで、いろんな学校を体験していたにも関わらず。
(オーストラリアの名誉のために追記しておきますと、公立の高校でもお行儀がよく、やる気のある子が集まった学業成績の高いところもあります。カレンが通っていた公立高校もわりとそんな感じでした。)
最初聞いたとき、面白い学校だな、とは思ったんです。
・高校のなかに(生徒の)赤ちゃんを預かる託児所があるとか、
・英語を母国語としない学生のための英語コースがあるとか、
・教室が足りなくて、雨の日も外で授業するクラスがあるとか、
でも働きだしたら、そんなもんじゃなく
もう、毎日ゴシップの嵐
移民が多く、貧困家庭、DV家庭(家庭内暴力)や犯罪も多い地域なんだそうで。
ほぼ毎日事件が起こります。
・「ゆうべ、おかあさんが逮捕されたから、あまり寝てないの」と、授業中居眠りする子。
・おかあさんにもおとうさんにも追い出されて、今日から帰る家がない子。
・「おかあさんに家に帰ってくるなって言われた」って泣いてる子。事情を聞いたら、ケースワーカーの人が来て兄弟を保護されてしまったから、家に帰ってきたら連れていかれるってことらしい。(詳しいことは分からないけど、その親にこどもを任せておいたら、こどもが安全ではないと法的に判断されたということでしょう)
・いたずらしたあとで「罰は受けるから、お願いだから親にだけは報告しないで」と嘆願する子。お父さんにぶん殴られるからだそう。
・実際、親にぶん殴られて、顔まっさおに腫らして登校してくる子。
・制服のスカートの下は自傷だらけの子。
・怒りのコントロールがきかなくて、クラスメートに椅子を投げつけて怪我させてしまった子。
・卒業式に出られず、かわりに少年刑務所に入った子。
・監視員(刑務所の職員さん?)と一緒に登校してくる子。
・・・そういう子どもたちがほとんどなので、もちろん授業中もすっちゃかめっちゃか。
先生の話を聞かない程度ならマシで、クラス内でケンカがはじまることも。
クラスにもよるそうですが、カレンいわく 「動物園状態」。
クラス・コントロールができなくて、職員室に戻ってきてから先生が悔し泣きしていることも。
あ、このあいだは学校の駐車場に停めてあった先生たちの車が何台もまとめて、キーで傷つけられていたし。。。
ほとんどの生徒が家庭になんらかの問題を抱えているので、無理もないですね。
この学校のモットー(教育目標)は、
Attendance matters.
(出席が一番大事)
だいたい3分の1くらいの生徒が学校に来ないのだそうです。
そして、クイーンズランド州で一番「停学処分」が多い学校。
このように、学業どころじゃない現状があって、勉強を教える以前の問題が山盛りなのですが、
そういう問題に対応する専門の人たち(児童相談員、カウンセラーみたいな?)もたくさん雇われているそう。
教科を教える先生たちは、そういう問題が起きたらレポートを書いて報告するんだけど、専門の先生たちも毎度のことでうんざりしているのか忙しすぎるのか、いちいち対応してくれないそう。
その先生たちも、ご苦労様です。。。
そんな修羅場みたいなところで毎日がんばっているカレン、
そりゃあ、どっぷり疲れて帰ってきます。
テンション張って苛立ってるのか、仕事帰りは小さなことでボーイフレンドに当たったりグチったり
(それをうまくとりなすジェイデン君が、さすがなのです)
毎日大変だけど、そんななかでも
「先生の授業はおもしろい」とか
「来学期も先生に教わりたい」とか
やる気のなかった生徒が勉強に興味を持ち出したりとか
乱暴な子が心を開いてくれたりとか、
そういうエピソードもあったりして
それはそれで、うれしいし、やりがいもあるようです。
*****
そんな新米教師カレンちゃん、
「来年もこの学校で教えることにした。契約書にサインしてきた!」
っていうから、
「え?他の学校に転職できるんじゃないの?」
って聞いたら、なんて言ったと思います?
「この学校で教えられたら、どこに行っても教えられるからね!」
ほお、、、
修行のつもりですか。。。
わが娘ながら、すごい根性だな、と思いました。
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