パーマカルチャーで有名な クリスタルウォーターズ訪問。


このコミュニティが発足した当初から参加して、ずっとここで暮らしてきたバリーさんにガイドをお願いしたところ、クリスタルウォーターズの光と影、すべて包み隠さず話してくれました。

 

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もともとは牧場だったそうです。

(その当時、牧場をやっていた人もこのコミュニティに参加しています。初老の男性。偶然カフェで会いました。)

 

※金曜日の夜にふるまわれるシェアディナーは、庭で育てた野菜を使った中東料理↓がめちゃおいしかった。

 

そこに、ヒッピーたちが集まってきて、集団生活しはじめた。

しかし、ヒッピーばかりでは無法地帯だし、違法滞在者が増えて、自然崩壊。

(想像できるよね・・・笑)

 

そのとき、

本気で、合法的に、

政府からお墨付きをもらって

パーマカルチャーのコミュニティを立ち上げよう!

 

と考えた有志たちがいた。

 

1986年頃から市役所に働きかけて、何度も話し合い、却下されても説得を繰り返し、

ようやく1987年に合法的なパーマカルチャーヴィレッジ、クリスタルウォーターズが誕生しました。

 

パーマカルチャーのコミュニティはオーストラリア国内にいくつかあって、クリスタルウォーターズは比較的あとから出来たもの。そのせいか、わりとヒッピー色は薄いそう。
主観的にも(見た目の雰囲気ですが)思ったよりヒッピーっぽくなかったです。


※ヒッピーって何?って思ったらググってください。ちなみにウィキペディアへのリンクはこちら

 

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650 エーカーの広大な土地のうち、2割が個人の住宅地として販売され、残り8割の土地はエコシステムを保つために公共の土地として法人が管理することに。

 

生活のために必要な水を確保するため、17のダム(人工貯水池)をつくることにしました。

(敷地境界にクリークが流れていますが、その水を使うのは法律的にNG)

 

 

個人の土地1ロットあたりの所有面積は1エーカー(約1200坪)。

個人宅は85軒あり、現在200名ほどが暮らしています。

 

発足した頃は、パーマカルチャーという思想に共鳴した人たちが投資して土地を買い、自分たちで家を建てました。

 

当時の「オーナー用マニュアル」を見せてもらいました。

 

 

このマニュアルには、自然への影響を最小限にしながら地球にやさしいエコな家を建てるための情報がこと細かく書かれています。

 

家の方角、建てる位置の決め方、設計方法、建築資材の選び方、自然をそのまま活用する知恵、考えうる問題点と解決法など。

 

 

有志たちがそれぞれに工夫して、エコな家を建てました。

 

※バリーの家。

一番上に雨水タンクがあり、ポンプを使わず重力で水が流れるようになっている。

太陽光発電(ソーラー)はほぼ全員使っているそう。(ふつうに電気も通ってるけど)

トイレはボットンだが、バードウォッチングできる癒しの空間。

 

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もうひとつ、持続可能な生き方のひとつの柱として、農業があります。

 

私は、その自然農法のことを「パーマカルチャー」と呼ぶのかと思ってましたが、それはあくまでパーマカルチャーというアイデアの一部だったのですね。

 

みなさん広いお庭をお持ちですので、そこで野菜の自家栽培をしたり、果樹園を育てています。

なかには、鶏など家畜を飼う人たち、養蜂を行う人もいます。

 

自然農法の専門家もこのコミュニティに暮らしているので、アドバイスを受けられるのでしょう。

 

どの家でも庭で野菜や果物など栽培しているけれど、その規模は思った以上に小さく、その技術・成果もいまいちなようで、主観的にはうちのベジパッチとそう変わらないサイズ、クオリティでした(爆)。

 

 

ここ数年は深刻な干ばつが続いていること(夏になったら雨は降るそうですが)、

また自然と共存しているので、野生動物に畑を荒らされてしまうこと。

 

特に、ブッシュターキーや鹿の被害には困っているそう。

「もう少しで収穫しようとしたカボチャをやられてしまって悔しい!」と

バリーさん、何度も嘆いてました。

 

でも、自給自足を目指しているわけでもないんですって。

自給自足は必ずしも持続可能じゃないから。

 

「外から購入したほうが、より持続可能な場合もある。」

 

車で20分ほどの町、マレニーに出かけて買い物してくるそうです。

 

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そうそう、野生動物と共存するために、徹底しているルールがあるんです。

 

それは、

 

犬、猫 連れ込み厳禁!

 

たしかにね、うちのエリアでも、犬や猫がコアラやポッサムなど野生動物を襲ってしまうというトラブル、よく聞きます。

 

でも犬好き、猫好きさんには、つらいルールですね。

(これでラースは「ここには住めない!」と決定的に思ったらしい)

 

この絶対ルールのおかげで、あちこちにカンガルーがいるんです。

餌付けなどしていないのに、近づいても逃げていかない。

ヒトに慣れています。

 

 

他にも珍しい、絶滅しかけた昆虫や鳥が住んでいるそう。

 

 

そして、できるだけ持続可能な生活をメンバーに奨励しています。

 

ゴミは市役所が回収に来てくれるけど、できるだけゴミを減らす努力をお願いしていると。


 

残飯からコンポスト(土)をつくるのは、一般家庭でもよく取り入れられていますが、下水のリサイクル方法も紹介されています。

 

特に、ダムの水質は理想的なレベルをキープしているそう。

 

 

私が行ったときは、長いあいだ雨が降らず、乾燥気味でしたが、

それでもダムの水はキレイに見えました。

 

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このように、うまくいっている面もたくさんあるのですが、

うまくいっていない面もいろいろとあって

理想を現実にするのは、なかなか大変なようです・・・

 

バリーさんのお悩み拝聴(笑)

 

そのあたり、次回の投稿で突っ込みます。

 

つづく・・・