オーストラリアには、リタイアメント ビレッジ というものがあります。
これ、グーグルさんに日本語翻訳してもらうと、「引退村」って出てきます。
直訳・・・まんまやん・・・
他の辞書を見て見ると、「老人ホーム」とか出てくるんですけど(笑)
違うんです
日本には存在しないんだろうと思います。
そういう施設、いや、もう概念からして。
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オーストラリアの人は、リタイア(引退)するお年頃になると、
「ダウンサイズ」 Down Size というのをやります。
#ダイエットのことではない…
子どもも巣立ったし、大きな家や庭をメンテするのも大変なので、
古いものを捨て、身軽になって、もっと小さくてコストも手間もかからない家に住み替えるのです。
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そういえば、オーストラリア人はしょっちゅう家を買い替えます。
日本だと、家を買うって一生に一度の大きな買い物!みたいな感覚ですが、
こっちは売り買い、住み替え、しょっちゅうするんです。
オージーの伝統なのか?と思うのですが
「ホーム インプルーブメント」 Home Improvement といって
安めの中古物件を購入し、自分で時間をかけて住みながらリノベーション(改装)をして、キレイに完成したところで売る。
そうすると、自分たちが改装した分の価値が上乗せされて、利益が出るのですね。
そうやって資産を増やしていく人もいます。
日本だと「築〇年」で、おおよその家の値段が決まってしまいますが、オーストラリアは何年経っているかは参考程度で、古い物件を大切にしながら改装する、という文化(?)があります。
同じエリアの同じ築50年でも、ボロだったら土地代程度だし、きれいに改装されていたら億単位になったりもします。
えーっと。。。
いきなり話が脱線しているのですが、オーストラリア人がリタイアする頃に「ダウンサイズする」というのも、こういう流れからすると自然なことなんだよ、ってことが言いたかったのです。
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もうひとつ、ついでにいうと(また長くなってしまうけど)、
オーストラリア人は 子どもに老後の面倒を見てもらおうとはハナから考えていない
・・・大前提からして、日本とは全く違うわけですね。
だから、今まで住んでいた家を子どもたちに譲る、っていう発想もあまりない。
(もちろん、そういう人もいますけどね)
子どもたちにはそれぞれ人生があるから、どこで何するかによって、必要な不動産も違うでしょう。
親にしてみたら「私たちは自分の人生 自分で最後までやるから、若者は若者で好きにやりなさい」といった感覚です。
だから、ダウンサイズ → リタイアメント ビレッジ というアイデアが出てくるわけです。。。
日本でいう老人ホームというのは、自分で自分の生活ができなくなった人を介護する施設のことですが、リタイアメントビレッジというのは、自分の生活を自力でしながら、必要に応じてサポートも受けられるコミュニティなんですね。
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ダウンサイズの典型としては、アパートメント(日本でいえばマンションです)に引っ越すことが多いでしょう。
で、そういうニーズが増えてきたので、デベロッパーがダウンサイズ目的のリタイア層向けに、そういう人ばかりが暮らす村=コミュニティごと提供しちゃおう、というサービスが広がってきているわけなのですね。
Over 55s Lifestyle Community
(55歳以上のための、理想的なライフスタイルを実現するコミュニティ)
なんて具合に宣伝されてます。
娘の彼氏のおばあちゃまが、そんなリタイアメントビレッジにお住まいなので、見学させていただきました!
購入条件は50歳~55歳以上、っていうところが多そうです。
アーリー(早期)リタイアの人もいますからね。
そのビレッジには、小さめのおうち(1~3ベッドルーム)がたくさん並んでいるだけではなく、共同施設として、多目的ホールとかプールとかバーベキューエリアとか運動ジムとか卓球とか音楽室とか美容室とか図書館とかカフェとか、、、まあ、いろいろな設備が揃っています。
そして、そのビレッジのなかでのクラブ活動みたいなものもあって、たとえば、チェスクラブ、合唱クラブ、ボウリングクラブ、盆栽クラブ、ヨガ、水中エアロビクスのクラス…などなど。
いや~、楽しそう♪
自分で運転しなくなった人のために、近所のショッピングセンターや最寄り駅までの バス送迎サービス もありますし、必要に応じて ミール(食事配膳)サービス も利用できます。
さらに、心強いのが健康サポート!
この写真、水色の〇で囲ったところ。
ここに担当スタッフさんがパスワードを入れると、鍵がかかっていても中に入れるようになっています。
家のなかには、緊急呼び出し用の機械付き。
なんだか昔のカラオケマシンみたいな古いデザインなんですが、これくらいのほうが馴染みがあって使いやすいかも。
(緊急時に押すだけで、このマシンが作動するペンダントもついてきます。)
おうちのなかは、ふつうのおうち。
とっても広くて落ち着きます。
広いリビング
キッチン
ベッドルーム
ウォークインクローゼットの先に、バスルーム。
洗濯室
ガレージ。車を駐車するためのスペースだけど、倉庫にしたらめちゃ広い。
お庭はビレッジ専属の庭師さんが管理してくれます。
この門を歩いて出ると、すぐそこビーチ。
日本でいったら、家族4人余裕で暮らせる立派なおうち。
至れり尽くせりのサポートサービス。
ちなみに、ペット連れもOKです。
気になるお値段はロケーションや、ベッドルームの数によっても違いますけど、同じエリアにある持ち家を売ったら余裕で買える金額です。
なぜかというと、お年寄りが亡くなったり、別の施設に移動すると、その物件をリサイクルできるから、なのですね。
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私もあと何年かでリタイアするお年頃なので、
リタイアしたらどうしよっかなーーーと考えはじめてます。
ゆくゆくは日本に帰る?という選択肢も残ってはいるけれど、
このリタイアメントビレッジを見学させてもらったら、
「ここなら私、暮らせるわ。年とっても、夫が先に逝っちゃっても大丈夫。」
という気持ちになりました。