ブックチャレンジ2回目です。
今日ご紹介したいのは、
「日本人をやめる方法」
もう25年以上前に出版された本。
私が読んだのもその頃。
著者はオーストラリアの大学教授、杉本良夫さんです。
家の本棚を探したけど、この本はもう手元になく、見つかったのは
姉妹本「日本人をやめられますか」
でした。(似てるけど、違う)
どちらの本も、タイトルはちょっとセンセーショナルなんですが、
中身はいたって真面目な比較文化・社会学です。
ずいぶん昔の著書なので、今の時代にあてはまらない部分もあるかと思いますが、
視点としては今読んでも面白いんじゃないかと思います。
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25年前、どこか海外に行きたいと思っていたとき、
この本に出会ってマルチカルチャリズム(多文化主義)というものを知り、
それを体感してみたくてオーストラリアを選びました。
日本という社会が息苦しかった。
人はみんな礼儀正しく親切でやさしいし、
経済的にも物質的にも恵まれているのに、
なんでこんなに息苦しいのか?
なにかこう、目に見えないシガラミみたいなもの。
明文化されていない無言のコンセンサス、お約束。
そこからちょっと外れると、とたんに生きにくくなるので、
そこから外れたい私は、外れるための武装をしなくてはならない。
・・・そんな感覚でした。
当時わたしはいわゆる「キャリアウーマン(←って死語ですか?)」で
手がけた仕事はいわゆる「成功」を収めていました。
複数の企業から、ヘッドハンティングの声がかかっていて、
よりどりみどり でした。
でも、「ここから先、どこへ行くんだろう?」と将来を考えたとき、
「どこに行っても同じでしょ」という、頭打ち感・・・
日本脱出するしかない
と思っていたときに、
『日本人をやめる方法』
もうこのタイトルからして、ズッキューンとハート💛を撃ち抜かれました(笑)。
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そう、わたし、日本人をやめたかったんです。
こんな窮屈な社会から抜け出したかった。
世界中あちこちから来た人たちが、それぞれの文化を生かしながら共存していく国って、どんなにか自由で心地いいだろうか・・・?
そんな期待とともにやってきたオーストラリア。
たしかに、ずーっと自由で、ずーっとラクに呼吸できる国でした。
ときに、あまりに自由すぎて、そのいい加減さやレイジーさや都合のよさに腹が立つくらい。(もう慣れたけど)
いろいろあるけど、やっぱりオーストラリアに移住して正解でした。
この環境が水に合っています。
そこで気づく、わたしのなかの「日本人」。
オーストラリアに移住してみて、自分がいかに日本人的かってことを思い知らされました。
そして、外にいると、日本の問題点とともに、
日本の中にいるときには見えていなかった「日本独自のすばらしさ」も見えてきます。
で、この部分をこう変えたら、日本は最高に幸せな人々が暮らす国になるんじゃないか?なんていう妄想を膨らませたりもします。
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いま、このコロナショックで世界全体が変わろうとしているけれど、
もしかしたら日本は世界のお手本となるような国になれるかもしれない・・・
そんな可能性も感じます。
海外組の一員として、日本の変革を外から応援していきたいと思っています。
この本には、そんなヒントがあるはずなので、ぜひ読んでみてくださいね♪