フォーム(姿勢)について
深い呼吸をするのには、前屈した姿勢から始めるとわかりやすいです。スポーツの試合前に選手が輪になって「オース、ファイト」などと気合いを入れるように、です。こうすると、お腹が自分の頭の近くにきます。感じとしても、立っているよりも体が一体感をもって捉えやすいでしょう。
立ち姿勢というのは、自由な分、難しいのです。そこで、前屈の姿勢をお勧めしています。
前腹が押しつぶされて働きにくくなると、側腹や背腹が動きやすくなります。胴回りに呼吸を感じるためにもプラスでしょう。
声楽家は、そこがよく動きます。ここが最もプロとの体の違いがわかりやすいところでしょう。
声は、イメージとして、お腹の底から出していくようなものです。そのために体の流れを大きくします。呼吸のなかにある呼気と吸気をしぜんと生かした大きな円のように一つにつながる発声にしていくように感じてください。
[体を曲げた姿勢で声を出す]
1)体を前屈します。
2)背筋をピンと伸ばし、床と平行になるようにします。
(日本人は猫背になりがちなので、少し、上にそらすようにするとよいでしょう。)
後頭部が背筋と一直線です。
3)首を真っ直ぐにし、あごをひきます。
4)手は脱力して下へたらします。
5)息を吐いて、お腹のよこ、うしろが動くのを感じてください。
6)声[ハアー]を静かに出し、呼吸を感じます。