◯自分の基準をつくる
最終的に声のよしあしの判断をするのは、本人自身だと思います。
私のところでは、ヴォイストレーナーは、
基本に忠実に、発声や歌唱の判断の基準と
それを満たすための材料を与えます。
最初は当人の判断よりもトレーナーの客観的な立場からの判断の方が正しいので、
それを参考にすればよいでしょう。
しかし、トレーニングをして
あなた自身が誰よりも自分自身に対しては、
的確な判断のできるヴォイストレーナーになるべきなのです。
そのときには、五感よりも、もっと大きく、からだの感覚、
本能的に受け取とる快・不快、よしあしを
判断の基準にすることを忘れないでください。
声も歌も、あなたの生み出す世界に結びついています。
自分がよいと思ったものがよいのです。
もし、よくなければ、よいという基準を学ぶことです。
そして、よくなるまで鍛錬して、
他の人を納得させられるだけの表現にしていくことです。
そういう気概をもって励んでください。