表現のための器小学生がショパンの曲を何百回も練習し、ノーミスタッチで弾いても、プロが初見でさっと弾いたのには、及ばないのです。 それに似ています。 間違えずに正しく弾けたとしても、それは、プロには最低条件以下、前提にすぎません。 聞く人は、そこでのタッチを通じて奏でられる音の連なりに、そのアーティストのつくり出す世界を聴いているのです。 表現力の差が、プロとアマチュアの差になります。 そのときの基礎の力の差となるもの、プロがもっているのは、プロとしてふさわしい身体と感覚、つまりプロの器なのです。