牛黄清心元について(その9) | 栃本天海堂薬局福島店のブログ

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今回で牛黄清心元の条文の解説が最後となります。

「或発狂癲、治神情混乱」とあり、狂癲(きょうてん)とは発狂と癲癇(てんかん)を表し、気が狂うような状態やてんかん発作様の状態を指します。

神情(しんじょう)混乱とは、所謂精神混乱や意識が混乱している状態を表します。

このような大脳に関係している精神状態を、漢方では心(しん)が担っており、「心蔵神」「心者、君主之官也、神明出」である中枢的役割を担う心が「心悪熱」とあるように、もともと陽気の非常に強い臓である心に更に熱が加わると今回の条文のような症状が出現してきます。

牛黄清心元はこれまでも度々説明してきたように、清心の働きにより、心熱を冷まし、補気補陰補血の効能も兼ね備え、尚且牛黄・麝香などの開竅薬も配合されているため、熱入心包と呼ばれる急性熱病の高熱時に、熱が心包に侵入することで心を傷害することで引き起こされる、ひきつけ(熱性けいれん)などの症状にも応用可能と思われます。