牛黄清心元について(その6) | 栃本天海堂薬局福島店のブログ

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今回は牛黄清心元の条文から

「心気不足、神志不定」を解説します。

「心気不足」とは、所謂「心」の気が不足していることで、精神が不安定な状態を指します。

尚、この「心気不足」は金匱要略の「驚悸吐衂下血胸満瘀血病脈證治」にある瀉心湯の「心気不足、吐血、衂血、瀉心湯主之」にも出てきます。

この場合の解釈が、心気不足を心気不定とするのが正しい説などもあり、その場合は熱邪が心包絡に停滞することにより、心気が不安定になるため、吐血や衂血などを引き起こすこととなります。

心気不足のままでの解釈としては、熱邪により血熱が生じ、そのため心の陰気が不足するため、不統血になり出血するというものです。

どちらの場合にも、瀉心湯により熱邪を除去することで、心気を安定し、その結果止血するというものです。

牛黄清心元には、心熱を冷ます働きと薯蕷に心気不足を補う働きもあるため、この病態に効果があるというわけです。

また、「神志不定」は「神志」とは精神・情緒を安定させる気と言われ、これが安定しないため、精神不安な状態が発生します。

牛黄清心元は配合生薬に「神志」を安定させる働きがあるため、精神的に不安定な状態を改善する効能があるということです。

続きはまた次回に。