久しぶりの更新です。
今回は私の最近あった自験例です。
1月の連休前に少し寒気がして下痢気味になりました。
年末年始の鯨飲馬食がたたり、脾胃が弱ったところに寒邪にやられたと判断して「勝湿顆粒」(一般にはカッコウ正気散といいます)をお湯に溶かして服用したところ、寒気が消失し下痢も普通便に戻りました。
やれやれとなりましたが、翌日に出かける用事がありお腹の具合も戻ったので、昼に豚カツを食べてしましました。夕方になり胃の不快感(みぞおちが痞える)が出始めましたが、勝湿顆粒を服用して夕食はスパゲティ。お酒も少し飲みました。
翌日、朝から胃の痞え感が再度出現し、勝湿顆粒を服用したのですが、改善がみられない。
胃の痞え感は始終あるわけではなく、時々波のように押し寄せてきて何ともいえない気持ちの悪さ、頻回な噫気(ゲップ)でそれをすると若干マシ、下痢便も復活しトイレに行ってもあまり出ない。
夕方に散歩に出かけても、時々出現する痞え感に苦しみながら2時間程歩き回り帰宅。
ようやくこれは「心下痞硬」なのではないかと半夏瀉心湯を急いで服用しました。
その日の夕食は近所のお好み焼き屋で身体が冷えているためビールの代わりに熱燗を飲みました。
漢方薬が効いてきたせいか、胃の痞え感が消失(これが一番うれしかった)。翌日は出勤日でしたがこの数日がうそのように症状がすべてなくなり復活しました。
胃腸の調子が悪いのに、このようなひどい食事内容で折角復活してきた脾胃を傷めてしまい、普段患者さんに指導している立場からすれば反面教師となる数日でした。
普段あまりこのような症状にはならないため、「心下痞硬」というものにいまいちピンとこなかったのですが、自ら苦しみ体験したことでその意味がわかり、たったの1包で症状が改善する漢方薬の素晴らしさにあらためて感謝しました。