児童家庭福祉 過去問分析(利用者支援事業、子育て世代包括支援センター) | 保育士試験:社会福祉・教育原理等攻略講座

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<児童家庭福祉 過去問分析(利用者支援事業、子育て世代包括支援センター)>

【平成31年(前期)児童家庭福祉 問12】

次の文は、「子ども・子育て支援法」に基づく利用者支援事業(母子保健型)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 実施場所は、主として市町村保健センター等母子保健に関する相談機能を有する施設とされる。

B 母子保健に関する専門知識を有する保健師、助産師、看護師又はソーシャルワーカー(社会福祉士等)を1名以上配置する。

C 妊娠・出産・子育てに関する相談に応じ、必要に応じて個別に支援プランを策定する。

D 子育て世代包括支援センターや、「母子保健法」に基づく母子健康包括支援センターとは異なる事業である。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○

【解答】

(参考)
「利用者支援事業の実施について」(内閣府・文部科学省・厚生労働省通知)

A 適切
利用者支援事業(母子保健型)の実施場所は、主として市町村保健センター等母子保健に関する相談機能を有する施設とされています(「利用者支援事業の実施について」p8)。

B 適切
利用者支援事業(母子保健型)では、母子保健に関する専門知識を有する保健師、助産師、看護師またはソーシャルワーカー(社会福祉士等)を1名以上配置するものとされています(同p8)。

C 適切
利用者支援事業(母子保健型)では、妊娠・出産・子育てに関する相談に応じ、必要に応じて個別に支援プランを策定することとされています(同p9)。

D 不適切
まず、「子育て世代包括支援センター」は、「母子保健法」第22条に規定される「母子健康包括支援センター」の別称であり、同じものです。

(参考)「母子保健法」第22条第1項
「市町村は、必要に応じ、母子健康包括支援センターを設置するように努めなければならない。」

そして、内閣府の資料「利用者支援事業(母子保健型)について」や、全国社会福祉協議会(以下「全社協」といいます。)の「最新 保育士養成講座 第3巻 子ども家庭福祉」p122に、「母子保健に関する相談にも対応するため、利用者支援事業に「母子保健型」を新設し、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して総合的相談支援を提供するワンストップ拠点(子育て世代包括支援センター)整備する」ことが記されているので、利用者支援事業(母子保健型)は、子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)とまったく異なる事業とはいえないことになるでしょうか。

以上より、正解は1となります。


【検討】

「子ども・子育て支援新制度」の中でも、「利用者支援事業」は頻出事項となっています。

そして、記述Dの「子育て世代包括支援センター母子健康包括支援センター)」は、準公式テキストといえる全社協の「新 保育士養成講座 第3巻 児童家庭福祉(改訂3版)」の「項目索引」によると、全体で3ページ(3か所)に記述がありましたが、来年からの保育士試験の科目名に対応した「最新 保育士養成講座 第3巻 子ども家庭福祉」の「項目索引」によると、全体で6ページ(6か所)と、記述のあるページが倍増しており、今後の「児童家庭福祉」(来年から「子ども家庭福祉」)で重要視されることが予測されます。

記述Dの内容についてですが、確かに、上記の内閣府の「子ども・子育て支援新制度」についての説明会資料や、全社協の新しいテキストの記述によると、「利用者支援事業(母子保健型)」と、「子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)」とは、まったく異なる事業とはいえないことになりそうです。

しかし、厚生労働省の資料「子育て世代包括支援センター」と利用者支援事業等の関係等について」(平成27年9月)によると、「利用者支援事業(母子保健型)」は、「子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)」の中核となる事業の1例としてあげられており、その一方で、Aにあるとおり、「利用者支援事業の実施について(利用者支援事業実施要綱)」では、利用者支援事業(母子保健型)の実施場所は、主として市町村保健センター等母子保健に関する相談機能を有する施設とされており、「子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)」で実施するものとはされていません。

そもそも、「利用者支援事業(母子保健型)」と「子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)」の関係が問題となるということは、それら2つが同じもの(事業)ではないことが前提となっているはずです。
また、従来の全社協「新 保育士養成講座 第3巻 児童家庭福祉(改訂3版)」p137でも、「(子育て世代包括支援センターは)利用者支援事業の母子保健型との関連性も深く・・・」と記されており、こちらの捉え方が適切なのではないかと思われます。

ですので、「子育て世代包括支援センターや、「母子保健法」に基づく母子健康包括支援センターとは異なる事業である。」というDの記述は「不適切」とはいい切れないではないか、という疑義が残ります。

いずれにいたしましても、「利用者支援事業」も、「子育て世代包括支援センター母子健康包括支援センター)」も、今後の「児童家庭福祉」(来年から「子ども家庭福祉」)で頻出事項となることが予測されますので、今回引用した資料も参考に、しっかり押さえていっていただきたいと思います。



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