2024年3月29日(金)

昨夜遅く、新聞を見ながら見るともなくテレビを見ていると、気になる映像が出てきて、慌てて録画してみた。

それは『“普通”なんて言葉でくくれない 不登校経験者が7割の高校』という番組でした。

その高校は、広島市立広島みらい創生高等学校という。

不登校やいじめに遭い、行き場のなかった子どもたちに与えられた起死回生の身の置き場です。似通った特性を持つ人同士がやっと話し合える友達を見つけ、協力し合って行く姿は感動的でした。

発達障害やLGBTなどの性の多様性を認め合えること、その寛容の心が胸を打つ。

 

すでにNHKは広島県の中学校や岐阜県の中学校で、年齢や学年に関わりなく受け入れるクラスや学校があることを放映してきました。発達障害などの特性を持ち集団教育の場になじめない子どもたちを受け入れる学校は、義務教育として学校が多様化して設置されるべきものと思います。これまで、すべては本人の所為とされ、教育の対象としては取り残され、ひきこもりの原因ともなっていました。

しかしこういう少人数教育のもとに、本人の意思と興味・関心を大切にしてそれを伸ばし、自信を取り戻していく教育の姿がこれらの場にはありました。

 

実は、わが町では人口減少の波の中で学校の統合が課題となっており、先日その説明会が教育委員会によって開催されました。その場で私は発言を求めました。

廃校とせずその学校で少人数教育を実施すること、集団教育になじめない人々や少人数教育を希望する人に教育の場を保証すること、本人の興味や関心を大切にしそれを引き出し伸ばしていくことによって自信を取り戻していくこと、特性を同じくする人々が友達を得て社会性を獲得していく出発点を創り出すこと。そういう学校を義務教育として保証していくことが必要なことを伝えました。

 

実は、わが町はアニメ『おおかみ子どもの雨と雪』の作者

細田守監督の出身地です。そして町の5カ年計画には『おおかみこどもプロジェクト』という名称が付けられて、外からの人々の流入を受け入れようとしています。

そこでこの計画の多様性尊重の精神を生かして、是非少人数教育の場を作ってほしいことを訴えました。

 

さらに実は、数日前に隣町の富山市の教育委員会が、不登校経験者のための学校の新設を検討していることが報じられました。

 

かくして説明会は、当局からの返答はないままに終わりました。私の提案以外に、廃校に反対して少人数教育の場として残していくことを主張している人々もいます。

町当局は、学校自体の老朽化も伴って統合計画を進めようとしています。

 

さて、これからどうするか。昨夜のみらい創生高校の生徒たちを思い出しつつ、行動していきたいと思っています。

 

ああ、このビデオを町当局の皆さんが見てくれたらなあ!!

この学校の成果、この生徒たちの生まれ返りのような自立は、不登校やひきこもりという社会的課題への重要な解答になると思うのですが。

もちろん、彼らのこれからの人生では、まだまだ社会の壁にぶつかることもあるでしょう。でも自ら出発点を獲得することによって、悩みながらも行くべき道を見つけ出していってくれるように思います。

未来に 多様性と寛容を!!