2023年11月30日(木)

 

遅れましたが、11月26日(日)にイタイイタイ病学講座に参加しました。

テーマは、「イタイイタイ病の原因解明と三人の科学者たち」でした。

一人は地元の医師・萩野昇氏。

一人は岡山大学教授スペクトル分析研究の小林純氏。

一人は農学・経済学研究の吉岡金市氏(金沢経済大学学長)。

 

この三人の共同研究によってイタイイタイ病の原因がカドミウムであることがつきとめられた。汚染された水や米などを摂取することによって体内に入り、カドミウムがカルシウムに置き換わってしまい、骨に入って骨を弱くしてしまう。とくに女性は体内で骨身を削って子どもを育てていくためにイタイイタイ病の被害を多く受けることになった。

 

この鉱毒説にも、批判的な見解を有する研究者がいたが、

1968年5月8日に厚生省が「イタイイタイ病の本態はカドミウムの慢性中毒による骨軟化症であり、カドミウムは神通川上流の神岡鉱業所の事業活動によって排出されたものである。」と断定し、公害病の第一号となった。

 

ところが1968年に萩野昇医師が朝日新聞社の“朝日賞”を受賞することになると、共同研究者であった吉岡氏・小林氏との間に亀裂が生じ、二人が萩野氏を批判するようになってしまったという。

賞を与えた側にすれば、戦後の困難な時期にイタイイタイ病に苦しむ地元の人々の治療に専念した萩野医師の功績をも評価したものだったと思われるのですが。

 

以上。