今夜のNHKスペシャル「人体ミクロの大冒険②」は大変興味深いものでした。
遺伝子によって設計図を与えられ、それにしたがって成長していく人体は、
思春期以後に細胞の働きによってさらに変化を受けていく。
その一つがホルモンを分泌する細胞である。
今夜特に取り上げられたのは、オキシトシンである。
これは、妊娠・出産とともに脳から分泌され、出産を促す働きをする。
しかし出産後もさらに分泌されているという。
それは、このホルモンが子どもへの愛情、子どもを可愛いと感ずる感情をもたらすのだという。泣き出した子どもをも可愛いと感ずるのは、オキシトシンの働きだという。
そして、さらにこのホルモンは、男女の間の感情を高める働きを持っており、見つめあう、肌に触れる、キスをする、といった行為のとき分泌される。特に女性の場合に分泌が多いという。
オキシトシンが血中に分泌されることによって、人は優しくなり、人と人とのつながりを感じるようになっていく。それはネズミの実験でも証明される。
そして、人によってこのオキシトシンの血中の量が少ない人が居ることが解ってきた。その1例が、自閉症であるというのです。
金沢大学の東田教授たちは、自閉症の青年にオキシトシンを鼻から吸入するという実験的な治療を行っている。明らかに効果を上げているようである。
人との交流がうまくできず、会話も不足し、社会性が育っていない場合に、
この治療は効果があるようです。
この実験が早く治療に生かされることを願っています。