使われなかった方眼紙(つづき)
もうすぐ空があの青空が落ちてくるそんなまばゆい終焉よ来たれ
使われなかった方眼紙のように歩道 だれもついてくるな
くずおれやすい未来を抱いて立っている 頭上にいちめん軋む夏空
きょうとおんなじ明日など来るなごしごしとくたびれた靴の埃を落とす
(永井陽子『葦牙 永井陽子句歌集』より)
この終焉願望って何でしょうか。
夭折願望や消滅への希求が若い永井さんにはあったようです。
あの青空が落ちてくる、という想像力。
誰もいないおそらく早朝の歩道、四角の敷石が使われなかった方眼紙のように
白く連なっている。誰もここに入らないでー・・・。
ここは自分だけが自分の歩みを記していくところ。
未来に確信など持つことができない若さ。やっと立っているかんかん照りの
夏空のもと。
「きょうとおんなじ明日など来るな」と言葉で言うことはできる。でも明日に
なればきのうと違う自分がいるわけではない。「来るな」と言っても、
やはり自分で開くしかない。とりあえず、くたびれた靴の埃でも落とそうか。
まず今できることから。相変わらず平凡だけど。
「使われなかった方眼紙」の8首を振りかえると、最初の3首に与えた私の勝手
読みは、あとの5首とはどうもそぐわない感じですね。
でも鑑賞する側も自由であっていいでしょう。