4月を迎えてから数日経過しましたが、連日ドタバタしている私です。ぐぬぬ。
先日、発売された『クトゥルフ神話TRPG』のソースブック『キングスポートのすべて』を、店頭に並んだその日に入手しました。ブログのネタにするのは遅れに遅れましたが。とほほ。
クトゥルフ神話TRPG キングスポートのすべて (ログインテーブルトークRPGシリーズ)/ケビン・ロスほか
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『キングスポートのすべて』は、『アーカムのすべて 完全版』と同じく、H・P・ラヴクラフトが物語の舞台として創造した架空の土地をサポートする、ラヴクラフト・カントリー・シリーズのソースブックです。
いや、正直な話、キングスポートは、ちょっと地味で渋すぎる印象があり、翻訳はもっと後回しにされるんじゃないかと思っていました。無事に翻訳されて安堵。
とは言え、やはり『キングスポートのすべて』は本気でマニア向けなソースブックで、優先度も低いです。初心者にはオススメできません。他のソースブックを全て揃えたような人にとっては価値ある一冊ですが。
個人的に大歓喜だったのは、日本語版での追加要素です。原書は他のラヴクラフト・カントリー・シリーズと比べて、やや腹八分目気味なので、未訳のシナリオ集『Tales of the Miskatonic Valley』(1991)に収録されたシナリオ『Fade to Grey』が追加される事を期待していました。
『Fade to Grey』はキングスポートを舞台にしたシナリオですし、2013年に翻訳された『ミスカトニック大学』で犯人の素性に関するネタバレがあり、『Fade to Grey』そのものの翻訳も待たれていたのです。
ですので、期待通りに『Fade to Grey』が収録されたのは嬉しいサプライズでした。
そして、『Taint of Madness』(1995)からも、キングスポートと接点がある療養所アーカム・サナトリウムの解説が翻訳! これで、いつキングスポートの恐怖に叩きのめされても大丈夫。
Taint of Madness: Insanity and Dread Within Asy.../Michael Tice
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この追加要素、奇しくも、私が去年、どうにか原書を入手できないかと思ったものの、プレミア化してて断念した二冊からの部分的な抜粋でして、実に私得なチョイスでした。特に『Fade to Grey』は、私がブログで幾度もネタにしてきたアレとかアレとかに関するシナリオですし。
実は、ですね。私、2013年に『ミスカトニック大学』が翻訳された時、『Fade to Grey』の犯人に関する記述が翻訳された事を好機と捉えて、キーパー各々が自分なりの『Fade to Grey』を自作する方法についてネタにしようとしたのですが、何しろ『Fade to Grey』は、かなり猟奇的なシナリオでして、アメブロでは怒られるかもしれないからと、わざわざ某ブログサイトで年齢制限したクトゥルフ神話系ブログを開設して、そちらで記事にまとめようとしたのですが、諸般の事情が重なりまして(以下略)。
あれから数年。『灰に色あせて』というタイトルで翻訳された『Fade to Grey』を、待ってましたとばかりに読み進めたのですが、いや、まあ、うん。こうして翻訳されたシナリオを読むと、予期してはいましたが、本気で際どいですね。題材が題材ですから仕方ないっちゃ仕方ないですが。これは人も場所も選びますですよ。
とまぁ、紹介してるつもりが、むしろ警告を発しているみたいな空気になってしまいましたが、『キングスポートのすべて』は読み応えも語り甲斐もある一冊です。キングスポートを舞台にしたクトゥルフ神話について。キングスポートと相性の良い作品について。そして、『灰に色あせて』で詳細が語られたアレについて。まだまだ語りたい事はありますが、とりあえず。