こんにちは。今日読了したのは、

 

「ロールキャベツ」森沢明夫 徳間書店 2023年刊

 

です。同じ大学に通い、縁あって同じサークルに集まった若者たちの、ものがたり。

森沢明夫さんという方、とにかくハートウォーミング物なら任せろ!みたいな、
作家さん。でも、今回は、登場人物それぞれが色々な困難や苦悩も抱えていて、
それが原因で気持ちがすれ違ったり、衝突したり。少し、カラーの変化を感じま

した。
 

もう10年くらい?色んな著作を読んできましたが、一冊につき一言以上、心に
グシッと刺さる言葉が用意されています。もちろん、それは読み手によって変わる
わけですが。そうすると、5年後、10年後に同じ本を読んで、また別の「グシッ」
に出会うという楽しみ方もできますね。

一つだけ残念なのは…。
色んな作家さんが使っているスタイルとして、節や章が変わる時に物語の語り手
が変わって、同じ物語、同じ人間関係を違う視点から見ることができるというものが
あるのですが、今回、それが時々、現れます。普通に全体的に物語を読んでいたと
思ったら、急に語り手が指定され、また次の節では別の人物の視点になり、そして
しばらくすると誰でもなくなる。。。

ちょっと、一貫性がないのが、残念です。視点、語り手を決めるなら、全体を通して、他の登場人物の本音も含めて読みたかったな~~とも思うし、特に視点を
定めないのであれば、ずっとその方法でお願いしたかったです。

とまあ、読者というのは好き放題色んな要望を繰り出すのが常でして。。。

さて、次は何を読もうかな。。。