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こんばんは
ママ獣医師の鈴木綾香です
今日は風が強くとっても寒かったです
さて今日のブログのお題は、
『皆さんにとって、おうちの子はどんな存在ですか？』
というのにしたいと思います
なんでこんな話を書こうと思ったかというと、昨日診察した初診の子のご夫婦のお話がとっても心に残ったから。
15歳のマルチーズちゃんで、すごくすごく大切に育てられていらっしゃいました
1年以上前に心臓病と診断されたそうで、それから何度となくお散歩中などに失神を起こしては倒れて、息もしてるかどうか分からないくらいにぐったりすることもあったそうです
死んだようになってしまうし、焦ってしまうし、どうしたらいいかわからないから、毎回すぐに病院に駆け込んでいたんだけど、
先生「レントゲンでも肺に水も溜まってないし、検査でも何も出てないし、舌の色も悪くないから、連れてきても一緒ですよ」
飼い主さん「でも死んだようにぐったりするから、毎回不安なんです」
先生「肺水腫になったら、酸素室に入れて入院させるので、大丈夫ですよ」と。。。。
みなさんが、こんなことを先生に言われたら、どう思いますか？？
入院させるから大丈夫？？肺水腫になったらてどういうこと？なる前に何かできることないの？？
この飼い主さんはそう思ったそうです。
肺水腫になる前に、じゃあ何をしたらいいのかと尋ねても「散歩を控えてください」とかしか返ってこない。。。。
肺水腫って物凄く、物凄く体はきついんです
呼吸するための肺にお水が溜まっているのだから、深く息も吸えないし、ずっと溺れているような感覚です。
酸素室に入れれば、それが改善されるの？？→そんなことはありません
高濃度の酸素を入れて、少しでも肺に酸素がいくようにと、、、ただそれだけであって、酸素室に入れたからお水が抜けていくわけでもありません。
死にそうになるほど失神するのに、そもそも検査で何も出ないって・・・・まずそれがどうなの？？と思わないのかな・・・・
検査で何も出ないと、何も太刀打ちができないのが、西洋医学の弱いところ・・・
「今出ている症状に対して、何か自分にもできることがないのかな？」
そう思っている飼い主さんがほとんどじゃないかなと思います。
この子のお父さんは、毎晩この子を見ながら、不憫で不憫で泣いていたそうです
「僕たちには、この子は子供と同じ。その子に何もやってあげれなくて可哀想で可哀想で。入院なんてさせたら、こんな寂しがりなのに、それだけで死んでしまうと思う。」と言われていました。
お母さんも「この子に何かやってあげられることが、本当にないのか、色々病院に行ったけど、どこでもアドバイスをいただけない。これからどうやってこの子に向き合ったら良いのかわからない・・・」
そんなことを言われていました。
ここ最近、初診の方を診ることが多いのですが、みんな病名がたくさんついていたり、治らずあちこちの病院を点々とされている方も多いです。
なので診察時間のうち、1時間近く、これまでの経緯や飼い主さんの思いを聞くこともあります。
そんな方々が言われることは、大抵上のご夫婦が言われることと同じで。
みなさん一様に、「この子は家族と同じ。だからこの子が少しでも苦しまないように、何か自分にできることをしてあげたい」と言われます。
多分、みなさん病気を「治してくれる先生」よりも「何か自分にできることを教えてくれる人」を探しているんじゃないかなぁと思ったりします。
だから「手術の腕がすごい先生」や「検査をたくさんしてくれる先生」より「ちゃんと話を聞いてくれて、今起きていることに対してちゃんと明確なアドバイスを教えてくれる人」の方が求められてるんじゃないかと思います。
多分これから先、「手術の腕がすごい先生」や「検査をたくさんしてくれる先生」は、AIに取って変わられるんじゃないかと思います。
もしかしたら、「ちゃんと話を聞いてくれて、今起きていることに対してちゃんと明確なアドバイスを教えてくれる人」も今いる多くの先生たちよりAIの方ができるようになるかもしれません
私は、やっぱり今も将来も後者の人でいたいなぁと思っています。
だから「先生」らしさも、正直全然ないと思いますが。。。
むしろ飼い主さんやワンコニャンコたちに教えてもらうことがたくさんあります。
でも初診の方の診察が終わった時に、「やっとモヤモヤがスッキリしました！」とか「やっと点と点がつながりました！」とか「私にもこんなにたくさん、家でできることがあるんですね！」とか言っていただけるのが、とても嬉しいです
何度もこのブログでも書いてますが、おうちの子を治すのは、私ではありません。
飼い主さんが、主治医です。
私は、あくまでも飼い主さんのサポートをして、一緒に病気を治していきます。
そのために私が持っている知識は、全てお話ししています。
ワンコニャンコが訴えているサインを1つでも取りこぼしたくないので、日々勉強もしています。
初診の方の診察をして、最後に喜んでもらえると、毎回「やっててよかったなぁ」と思うし、「もっと早く知っていれば」と言われることも多いので、「もっとみなさんに知ってもらいたいなぁ」とも思います。
少しでも多くの「家族」が、幸せに、苦しむことなく、穏やかに暮らせますように。
今更だけど、病院名の「オムニア（omnia) 」にはそんな意味がたくさん込められています。
みなさんの家族のサポートができるように、また明日からも頑張ろうと思えた昨日今日の診察でした
明日は、朝から大分での出張診察です
頑張ってきま〜す
では、おやすみなさい
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