こんにちは

ママ獣医師の鈴木綾香です

先日の慢性腎不全の猫ちゃんのその後について書くのが遅くなってしまいました

往診をご依頼された当初、口に入れたものは何でも吐き、お水も飲めなかったこの猫ちゃん。

まずは、過剰になっていた毎日の皮下補液250mlを1日〜2日おきにし、50−70mlまで減らしてもらいました。

そして、悪くなっている腎臓の方の治療をといきたいところですが、、、中医学では腎不全だとしても、どこが一番バランスが崩れているのかを見て治療していきます。

この猫ちゃんが一番バランスを崩しているのは、脾胃（つまり胃腸)の状態なので、そこからの立て直しです。

まずは、口をクチャクチャ言ってたり、吐き気があるのを止めないといけまけん。

体を触っても胃熱を感じましたので、まずは胃熱を取る漢方を処方しました。

あとは、塗る漢方を使って、気分が悪そうなときには特にマッサージをしてもらうようにもしてもらいました。

それと、腰から下や後ろ足は冷たいので、やはり補腎はしたいところです。

今は補腎薬は、胃腸に負担になりそうなので、ショウシ温灸器で温灸です

飼い主さんが、毎日できるようにと購入してくださったので、流れの悪い気や血の状態を改善していけると思います。

この猫ちゃん、なんと初めての治療のあとから、口のクチャクチャがほぼなくなりました

吐き気も、このあとからしばらく落ち着いています

(先日、私が東京往診で、なかなか往診に伺えず、一度だけ吐いちゃったそうですが

)

治療後にこんな風に丸まって寝てくれることも出てきました

そして、何度か自分で前の餌場に来て、ご飯をほんの少しだけですが、食べたそうです

もう１つ、飼い主さんがあれもこれもとやっていたサプリメントやミルクなどをやめてもらい、なるべく負担のないように、自分で『食べる』ということをしてもらうために、上顎につけてそれを飲みこんでもらうということをしてもらうようにしました。

そしたら、上顎につけたものをクチャクチャと自分で飲みこんで、そのまま吐かないそうで。

飼い主さんもこの猫ちゃんにとってもかなりストレスがなくなったようです

無理矢理食事を入れたりやったりするというのは、猫ちゃんの中にはすごくストレスを感じてしまって、余計に食欲が落ちることもあります。

そういう子の場合には、缶詰などを上顎につけてあげるという方法もあります。

慢性腎不全だからって、皮下補液や吸着剤を飲ませることだけが治療ではありません。

まずは、弱っている胃腸を立て直すこと。

そうしないと、いくらサプリメントやらいいものを入れてもきいてきません。

また腎不全の子は体が冷え切っていることも多いので、温灸は今からの季節、とっても役立ちます

この子の経過を気にしてらっしゃる方が多かったので、また経過をお知らせしたいと思います

みんな頑張ってますよ

今闘病中のワンコやにゃんこ、そして飼い主さん。

気を落とさず、やれることたくさん見つけてあげましょう

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