こんにちは
ママ獣医師の鈴木綾香です
私が常勤で行っている専門学校も今日から授業が始まり、新入生が目をキラキラさせてやってきてます
今日からまた、ペットに関するたくさんのことを教えていきたいと思います
さて今日は先日、なんと岐阜からわざわざ鍼治療に来ていただいたシェルティーちゃんのお話をしたいと思います
本当は私が岐阜まで行けたらよかったのですが、なかなか都合がつかず、「早く診てほしい」ということで、わざわざ岐阜から車で来ていただきました
福岡のご友人のご自宅に伺って施術をすることになったのですが…
このシェルティーちゃん、初めはお腹が緩くなって、かかりつけの病院で色々検査してもらった結果、免疫系の病気だと言われたそうです。
お薬をもらって飲ませていたら、今度は甲状腺機能も下がり、さらに首周りにしこりができ、膿が出て来たり、皮膚に湿疹のような出来物ができたり…
お薬がどんどん増え、そうこうしてたら、腎臓の数値と肝臓の数値が検査標準値を振り切るほどの値になってしまって、ご飯をほとんど食べれないそう…
「これでも減ったんです」と言って持ってこられたお薬は、5種類
免疫を調節するアトピカというお薬やステロイドのお薬、甲状腺ホルモン、胆泥を出すお薬、肝臓のお薬…
どうでしょうか?この子の体の状態、想像できますか?
かかりつけの病院は、とってもおっきな病院のようで、たくさん検査もしてくれ、病気も診断し、適切なお薬を出されていると思います。
ただ、私が中医学的な目線でこの子を診ると、悪いところは1つ。
やはり、シニアの子に多い腎です
元々はここが弱ってたのが、ステロイドなどお薬で体のバランスを整えようとした結果、自分で体のバランスが整えられなくなり、結果、お薬の副作用で悪くなかったであろう肝臓や元々弱っていた腎臓まで悲鳴をあげてしまうという結末に…
西洋医学のお薬は確かに即効性もあり、病気がちゃんと診断されれば、とってもよく効くものもあります。
しかし
「どこかの病気を治そうとすると、副作用が出てしまう」
ということがとっても多いのも西洋医学の悲しい現実
実際、ヘルニアでステロイドを出されたはいいけど、飲み過ぎて肝機能が上がったり、皮膚が悪くなったり、お腹も緩くなったり、筋肉が落ちすぎてしまったりと他のところまで悪くなった…というのは、よーく聞くお話です
やはり、特に多いのが免疫を調節するステロイドなどのお薬です
使い方がうまくいけば、ほんとによく効くお薬なんですけどね
この子に関して私が何をしたかというと、この子の本来の「治す力」を戻すために、体のバランスを整えるよう、カチカチに固まった体をほぐす鍼治療と腎を強くする漢方や毒素を出してあげるタンポポ茶、胃腸を強くする漢方などを出しました。
全部、体には負担のかからないものです。
ゆくゆくはステロイドなどのお薬を徐々に減らし、腎を強くする漢方とタンポポ茶のみになると思います。
この子はまだまだ自分で治す力が残っていると私は思います
お薬で押さえ付けすぎると本来の体のバランスもぐちゃぐちゃになるので、この子が本当に冷えの体質なのか熱がこもるタイプなのか、そういうことさえも判断が難しくなってきます。
お薬をたくさん飲ませてる方、ただ先生に言われているから飲ませるのではなく、本当にそれがその子に必要なのかというのも先生と一緒にご相談できるといいですね
本当はこの子は毎週でも鍼治療もしてあげたかったのですが…
最近「どこでもドア」が猛烈に欲しい私です
施術をして、少しずつですが、ご飯を食べれるようになってきたり、顔を上にあげるのが楽そうになったとか
こういう一歩違った目線で診れるような病院も少しずつ増えていって欲しいなぁと思う今日この頃です…