こんばんは
ママ獣医師の鈴木 綾香です
今日は、犬の「舌診」についてお話したいと思います
「舌診」とは、舌を見ることでその子の今の体調がどんな状態なのかを診断するというものです。
人の場合、漢方を出す際には、舌診をやられる先生がほとんどなのですが、これを犬にも生かせるということをあるセミナーで聞きましたので、最近色んな子の舌を見て、舌の写真を撮りためてます(笑)
例えば…
⤴この子と⤵この子の舌の違い、わかりますか?
上のスタンダードプードルの子の舌は、見た目がツヤツヤしていて潤っていて、赤みも強いですよね?
逆に、下のキャバリアの子の舌は、乾燥していて舌の厚さも薄く、横にシワもあって、色も少し薄いです。
中医学(中国の医学)的には、スタンプーの子の舌は、「紅舌」であり、「血熱」と診断されます。
「血熱」というのは、身体が熱(炎症)を持っていて興奮している状態です。
血熱の原因には、ストレス、興奮、食生活の不摂生、ウィルスやばい菌などの侵入、アトピー皮膚炎、アレルギー体質などもあります。
実際、この子は食べ物のアレルギーも持っていますし、バリカンで沿ったあとにもかゆみが出るなど、皮膚疾患をずっと持っています。
こういう子には、西洋医学なら、抗生物質やかゆみ止めとしてステロイドなどをバンバン使われるかもしれませんが、漢方だと 「清熱解毒」「血熱をとる漢方薬」を使います。
漢方なら副作用もほぼありませんし、皮膚だけでなく、身体全体のバランスも整えてくれます。
たぶん、アトピーやアレルギーなどで、皮膚の状態が悪くなかなか治らない子は、こんな舌をしてる子が多いかと思います。
キャバリアの子の舌に関しては…
中医学的には、「淡紅舌」「裂紋(横にあるシワ)」があり、「気陰両虚」の状態であると言えます。
「気陰両虚」というのは、気虚、陰虚という状態、つまり元気もあまりなく、疲れやすい、病気にもなりやすい、また水分不足で痩せている傾向にあります。
確かにこの子は、この時痩せぎみで、ちょっと運動するとすぐ疲れやすい子でした。
また、色んな病気にもかかっていました。
漢方だと気と潤いを補うようなものを与えてあげると、全身のバランスも取れて、病気にもかかりにくくなります。
西洋医学では、なかなか対処のしようがないものも、中医学だと治せることがたくさんあります。
中医学の診断は、西洋医学とは違ったものの見方をしていきますが、その中の診断方法の1つとして今回は舌診について書いてみました。
おうちのわんちゃんでも、舌の状態は毎日変わるので、ハーハー言っているときとかにしっかり見ておくといいと思いますよ
わんちゃんたちも、飼い主さんが毎日見ていると、いつもの赤色と違うとか、少しの変化にも気づいていけると思います。
他にも肉球での診断方法もあったり、言葉の話せない動物だからこそ、身体全体をくまなく見て、その子にあった治療をしていくことが大切だと思います
肉球での診断方法も面白いので、また今度お話ししますね
⤵さぁ、この子の舌は、どうでしょうねぇ~?