このレントゲン所見は? | 福岡ER ~日々奮闘中!~

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突然ですが、このレントゲンをみてどう思いますか!?



右の肺炎でしょうか? 右の無気肺でしょうか?



2歳の女の子が、乾性咳嗽を主訴に夜間外来を受診しました。
BT36.5℃、PR169、SpO2:98%
チアノーゼなし。口唇の色は良好。よく泣いています。



聴診での呼吸音が減弱していると、後輩から相談がありました。
そのときに撮ったレントゲンです。


これはっ!!
Holzknecht徴候!!


”Holzknecht(ホルツクネヒト)徴候”とは・・・
気管支異物がチェックバルブとなり、吸気時に異物のある側の肺が過膨張となる。その結果、縦隔が健側に偏位する。

(参考写真:UpToDate「Airway foreign bodies in children」より。
 上の症例の写真とほぼ同じですね。)


この子は適切な病院連携により気管支鏡でピーナッツが除去されました。


レントゲン写真の答えは、左の気管内異物でした。


この場合、診断のポイントはしっかり聴診する事でした。やはり最もアナログで基本的な診察方法が、最も大切な診断方法ですね。


今後も当ブログでは、医学的内容を随時アップしていきます。

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